姫さまを捜せ!
□第7話
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「姫さまー! どこですかー? っていうか、ここはどこだろう……」
姫を見つけだすため下町を適当に歩き回っているうちに、シュンは自分自身迷ってしまっていた。
下町の空き家にいると聞かされたはいいが、その空き家すら見つからない。
「困ったなぁ……」
啖呵を切って飛び出してきた手前、どこにあるのか聞きに戻るのも情けない。というより、さっきまでいた定食屋に迷わず戻れる自信などない。
「なんかもう……泣きたくなってきた……」
自分のような田舎者にとって、王都の複雑な街並みは迷宮と言っても過言ではない。
まだ都会に慣れておらず、やっと城内の構造をなんとなく理解しただけのシュンはどうしたら良いのか分からず、姫を捜すことも忘れただただ途方に暮れていた。
「お、田舎者はっけーん!」
「へ?」
挙動不振に歩き回っていたシュンの背後から、よく聞き慣れた声がした。
振り返ると、街路樹の下を歩きながらこちらへ向かってくる三人がいた。