姫さまを捜せ!

□第12話
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「大丈夫なのかなあ……」

 城内に戻ったシュンは、まだ言い争っている様子の二人を窓から見ながら呟く。

「大丈夫なんじゃない?」
「あれでも仲良くやってるみたいだしね」
「団長! 副団長!」

 心配そうに眺めていると、背後から二つの声が聞こえた。振り返るとそこには、同じように窓の外を見ているカイルとリュウイが立っていた。

「その花、姫さまのお使い? 大変だね」

 リュウイが視線を窓からシュンの持っている花束に移し、苦笑いしながらそう言った。

「いえ、そんなこと! それより僕は……リュウイ副団長の方が大変じゃないかと……」

 シュンは遠慮がちにリュウイを見る。その腕には、カイルに押し付けられたであろう書類が山のように抱えられていた。

「……うん、そうだね」
「デキの良い部下を持って幸せだよ俺は」

 うなだれるリュウイの肩を軽く叩きながらカイルが満足気に言った。

「あ、でも僕、団長に謝らなきゃ……」
「え?」

 シュンの言葉を二人同時に聞き返す。
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