バッドエンド

□―*7*―
1ページ/8ページ






「ま、」

 好き勝手騒ぐ盗賊に呆気に取られていた兵士達だったが、我に返った一人が口を開いた。

「魔術さえなければこちらが有利! 皆、一気に仕留めるぞ!!」

 その一言で他の者達も剣を構え直す。

「や、やば」

 反対に、一気に闘志の高ぶった兵士達に囲まれ盗賊達は青い顔をしている。

「奴だ! 皆まずは奴を狙え! あとは雑魚ばかり!!」

 隊長格の男が剣の先をヴィックスに向けて叫んだ。それを合図に、返事をする代わりに兵士達は各々武器を構え突進してきた。

「おいおい、一人相手に大人気ないんじゃねえの?」

 大剣で一気に三人の剣を受け流しヴィックスは苦笑する。余裕そうには見えるがやはり多勢に無勢、先程から戦い続けていたこともありどこか辛そうだ。

「じ、自分達も加勢します!」

 苦戦を強いられている頭を見て、アレックスは果敢にも渦中に飛び込んで行こうとした。

「俺達も行くぞ!」

 同じように、ハルキ、シオン、レオンもその後に続く。仲間の危機を察し力強く頷く様は、今まで青ざめていたのが嘘のように勇敢に見えた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ