姫さまを捜せ!
□第10話
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「あ……っ、どうなったんですか?」
ソルの言う“あいつ”というのがアスカのことだと瞬時に悟ったシュンは身を乗り出して聞く。あれ以来姿を見るどころか彼の話すら聞けず、ずっと気になっていたのだ。
「んー……なんかなあ、庭師として雇うらしいぜ」
納得がいかない、というふうに眉をしかめながらソルが言う。
「庭師……ですかあ?」
「俺は反対なんだけどさ、もう国王の許可もおりてるみたいで。団長らしいっちゃ団長らしい考えだけどさあ。普通ここで雇うか? 姫さまだっているんだぜ。初めのうちは監視つきらしいけど、やっぱ納得できねえよなあ」
ほぼ愚痴のような口ぶりで言うソルを見ながら、内心シュンは安心していた。
なぜ自分がこんな気持ちになるのかは分からないが。
「今は一応監禁中だってさ。でもそのうち出てくると思うと腹立ってくるぜ。あーあ、気分転換に遊びに行ってくるか!」
「えっ、まだ勤務中……」
飛び上がるようにして立ち上がったソルは、シュンの声など聞こえていないふりをして小走りでその場から立ち去ってしまった。