バッドエンド
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しかしやはりいくら気合いが入ったとは言え、実力の差ははっきりとしていた。一時は優位に立ったようにも見えたが、訓練を積んだ、その上本気の兵士達相手では歯が立たない。
「ハルキさん、危ないです!」
逃げ回っていたハルキの顔面を剣が掠める。アレックスの声に咄嗟に反応し最悪の事態は避けられた。が、数本前髪が千切れる音がして鼻先が僅かに擦れた。
「ぎゃーっ! 斬られた!!」
「かすり傷ぐらいでいちいちうっさい!」
大袈裟に騒ぐハルキをレオンが一喝しながらも加勢に向かう。
隣りには戦う術をなくし防戦一方のミストと泣きながらそれに縋りつくシオンがいた。
「邪魔だ離れろ、鬱陶しい!」
「嫌だ怖い!! 頭助けて!!」
勝ち目がないのは火を見るより明らかだ。
「耐えろよお前ら!」
悲鳴を上げる仲間達を気にしつつも、数人の兵士の相手を一人でしているヴィックスには加勢に行ける程の余裕はない。剣を受けながら、兵士と睨み合ったまま叫んだ。