バッドエンド
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「似てるんだよな、こいつらと」
すっかり消えてしまった焚き火の周りで穏やかに眠る彼らは、自分達のことが話題に上がっているなどつゆ知らず、気持ちよさそうに眠っている。
「はあ? 誰が。誰と」
「んな嫌そうな顔しなくてもいいだろ」
明らかに不服そうに眉間に皺を寄せて言うミストに思わず苦笑する。
「お気楽に見えるかもしんねーけどさ。こいつらだって、世間で居場所なくして路頭に迷ってた連中なんだ。フラフラしてたから俺が拾った」
気持ちよさそうな、ともすれば少し間の抜けた顔で眠る様子からはにわかには信じがたい話をヴィックスは続けた。
「まあ、こいつらがどんな人生歩んできたかとか、詳しくは知らないし、別に知ろうとも思わない。一緒につるんでるけど何か強い絆で結ばれてるってわけでもない。単純な話、こいつらといると飽きないんだよ。面白いから一緒にいるんだよな」
彼の、彼らの顔はとても穏やかに見えた。黙ったまま聞くミストは未だ眉間に皺を寄せたままだったが、暫くして少しだけ表情を緩めた。
「そんな寄せ集めの連中で何が最強の盗賊団だ」
小馬鹿にしたようにため息をつくと、立ち去ろうとして盗賊達とは逆に向けていた身体を方向転換させた。
そして元いた位置に戻り腰を下ろす。