八犬伝同人
□マイ・スイート・ハニー
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「要、お茶はいかが?」
キッチンにこもって、なにやら不穏な匂いを撒き散らしていた浜路が、ティーセットをのせたトレイを持ってやってきた。
「ああ…いただくよ」
そうこたえて読みかけの本を閉じる。
週末の昼下がり。
相変わらず、この屋敷はとても静かだ。
しーちゃんたちがきてから賑やかになったとはいうものの、家のなかでじっとしているような性格ではない彼が、こんな晴れた日におとなしくしているわけがない。
今日も例のごとく、古那屋でお昼をたらふくご馳走になっているのだろう。
もちろん荘介の姿もない。
実質、浜路と二人きりだ。
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