BLSS

□つむじまがりの恋
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こらえきれずに正宗の口のなかに精を放つと、正宗はまるで水を飲むようにしてそれを飲み下した。

「はぁ……あ……」

射精を終えて、力尽きてシーツに沈み込むおれの足から、膝のあたりで絡まっていたジーンズと下着を引き抜くと、正宗はおれの両足を抱えてぐいっと開かせる。
もう、抵抗する気力もない。
赤ん坊のおむつを取り替えるときのような格好をさせられ、今度は足のあいだ、尻の窄まりを明かりの下に晒される。それだけでも限界なくらい恥ずかしいのに、正宗は躊躇することなくそこに顔を埋めた。

「やだっ、やめろよ汚い!」

なけなしの力をふりしぼって身をよじるが、軽く尻を叩かれ、呆気なく引き戻される。ぬるりとした舌が孔をこじ開けて入ってくるのを感じて、たまらずに涙がひと筋こぼれ落ちた。

「や……まさむね……やだぁ」

いやいやと首を振って訴えても、やめる様子はない。それどころか、さらに指を捩じ込んできた。
なかをいいように掻きまわされて、口ではいやだいやだといいながらも、おれの下半身はふたたびむくむくと勃ちあがり、先っぽからぽたぽたと雫をあふれさせている。

「やだ……やだ……」

子供みたいにぐずぐずと泣きながら、だらしなく精液を垂れ流す。
ふと、刺すような視線を感じて顔をあげた。瞬きをして雫を払うと、クリアになった視界に正宗の顔が映る。おれの尻に食らいついたまま、怖いような目でおれを見ている。
ひく、と喉を詰まらせるおれを見据えたまま、正宗は身体を起こすと、片手で自身のベルトを外して、いつのまにかすっかり硬く張り詰めていたものを取り出す。

「や……」

舌と指でほぐされた部分にその先端を擦りつけ、ゆっくりと腰を進めてくる。

「あ――――」

熱い塊が、正宗が、おれのなかに入ってくる。ぎゅっときつく目を瞑って、挿入のすさまじい異物感をやり過ごそうとしたが、正宗がそれを許さない。

「目を開けて、おれを見ろ」
「……っ、は、あ、あっ」

汗だくになって荒い息を吐きながら、いわれたとおりにうっすらと目を開ける。シャツの襟元と下半身の一部をはだけた正宗が、じっとおれを見下ろしている。

「怖いか」

じわじわとおれのなかを穿ちながら短く尋ねる。泣いてぐしゃぐしゃになっているだろう顔で、それでもおれは正宗を睨んだ。

「こわく、なんか……っ」
「強情だな」

鼻で笑うと、正宗はひと息に奥まで突き入れてきた。

「ひ――」

衝撃で、一瞬、瞼の裏が真っ白になった。
正宗は緩やかな律動を開始する。ゆったりとした動きで、なかを探るように腰をまわしたり、気まぐれに奥深くまでえぐってくる。

「うっ、ん、ん、っく」

唇を噛んで声を押し殺すと、それが気に入らないのか、乱暴に全身を揺さぶられる。背中がシーツに擦れてベッドが軋む。

「あっ、あっ、あ……ッ」
「いいたいことがあるならいってみろ」

正宗はおれの両足を肩に担ぐようにして腰を叩きつけてくる。身体を折り畳まれて、ベッドから腰が浮く。体勢的に苦しいし、上から体重をかけるようにして貫かれるのでたまらない。

「まさむね、っの、バカぁ」

途切れとぎれに悪態をつくと、おれの上で正宗がくっと喉を鳴らした。

「上等だ」
「ひぃっ、やぁッ、あああ……っ」

ふいに穿つ角度を変えて、おれの弱いところばかりを狙って打ち込んでくる。

「や、ああっ、やだ、そこやぁッ」

さっき出したばかりなのに、また急激に射精感が突きあげてくる。抱えあげられた下腹部から、ひっきりなしに先走りが胸や腹に飛び散る。
そのまま拷問のように敏感な場所を擦られ続けて意識が霞んできた。開きっぱなしの口からは唾液があふれ、息も絶え絶えの状態で。
いきたいのにいけない。
どんなに気持ちよくても、なかの刺激だけでは足りなかった。

「……も……やぁ……っ」

いつもの憎まれ口は鳴りをひそめ、情けない懇願だけが喉を突いて出る。
いきたい。出したい。
なりふりかまわず正宗に訴える。

「いきた……っお願い……まさむね……もう、だめ……っ」

返事はない。
絶望にとらわれながら必死で正宗を見あげる。だけど、視界がにじんでよく見えない。

「ふっ……ぅ、せんせ、お願い……せんせぇ……」
「……、いきたいか」

ようやく返ってきた言葉に懸命に縋りつく。

「ん、いきたい、先生お願い……」



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