お宝部屋

□お楽しみ集会!
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「みんな、サッカー部がなんかよく分かんないけど夏休み前のお楽しみ集会で今年もダンスのパフォーマンスを見せることになったぞ!」

円堂がまた意味不明なことを言っている、とサッカー部の面々はいつものように半分呆れながら聞き流す。そもそもサッカー部といったって半田や影野、松野らも居ないのだ、そんなのできるわけ、ないと思ってたメンバーは次の円堂の台詞でため息をつく。

「イナズマキャラバンに参加したみんなも手伝えってさ!」

「………円堂、部活は?」

鬼道がめたくそ訝しげな顔して聞く。風丸や豪炎寺も同じような顔して円堂を見る。しかしその質問に答えたのは円堂ではなかった。

「しばらく僕らはダンスイレブンとして活躍するんだよね、キャプテン」

「吹雪!」

吹雪がめちゃめちゃなことを言う。円堂と同じくこいつのも今に始まったことじゃあないが。すると吹雪はすばやく鬼道の前に回り込み彼の手を取った。

「鬼道くん、僕とワルツ踊ってくれるよね?」

「いやいやいや意味が分からないから吹雪」

「おっ、鬼道さんは相変わらずモテるでやんすね」

「栗松、バルスだ。そして吹雪は手を離して早く」

「鬼道くんがOKくれるまで離さないよ」

鬼道はただただ切ない顔で吹雪を見ていた。その顔は吹雪を心から可哀相だと思った証だ。
そして脇から豪炎寺がしゃしゃってきた。

「吹雪!何を間違えたのか知らないが鬼道と踊るのはオレだ。」

「もう、つっこませないでくれないか。つか二人組作るなんて聞いてない」

「他のやつらは……言うなれば、オレと鬼道をより際立たせるためのバックダンサーさ。オレたちは二人で甘いステップを」

鬼道はただただ切ない顔で豪炎寺を見ていた。その顔は豪炎寺はこういう奴だったかと脳内Googleを活用している証。
ギャアギャア言い合う二人をよそに、円堂が鬼道の肩を抱いた。

「ははっ鬼道、分かってると思うけどお前の隣はオレだよな!」

「………」

鬼道はただただ円堂を見ず窓の外だけを眺めた。それは、今日の夕飯が何かと考えている証。

「…はぁ。もうなんか色々間違えてる。風丸助けて、有人ピンチ」

「むりだわ」

「!!」

「ていうかぁもうさぁキャプテンと豪炎寺くんに宣戦布告するね!吹雪士郎ずっと鬼道有人さんに想いをよせてましたぁ」

「…吹雪、オレもそうだった。お前と円堂に、鬼道の隣は渡さない!」

「ははっお前ら余裕ねぇな!最後にはオレんとこ来るんだから好きなだけ争っとけ!さ、鬼道、ダンスしようぜ!」





「立向居、練習するか」

「はい!」

鬼道はただただ現実から目を背けていた。立向居は天使なんだと認識した鬼道は、新EDで立向居とステップを踏む栗松が羨ましく思えた。





争う三人を他所に風丸は思った。

「…ダンスったって多分ソーラン節だよな。去年もそうだったし。ペアとか関係ねー」


END



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