GIFT
□捧げ物・DRAWING同居人&御曹司&天下統一
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同居人:御堂さん…のつもりなんですけど(汗)
宜しければ、どうぞ。
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夏休み。
私たちは、あの別荘がある島に来ていた。
水の流れが、足首まで白砂に埋もれさせながら去っては、またやって来る。心地良い掻痒感と、潮のにおい。そのまま掠われてしまいそうな引力が、しゃがみ込んだ私を戸惑わせる。
私は故郷の黒い砂と石ころだらけの海を思い出していた。
あの海は、怖かった。
目の前に広がるブルーグリーンの透明感とは大違いだ。
じりじりと焼ける肩に、ひんやりとした感触と影が被さる。見上げると、そこには御堂さんが立っていた。
「お嬢様、お飲み物でございます。どうぞ」
冷えたミネラルウォーターが心地良く私に染み込んでいく。
私にふんわりと微笑むと、彼は着ていたパーカーを脱いでほてった肩にかけてくれた。
「お嬢様は日焼けをされるとお肌の色が赤くなってしまいますから」
「ありがとうございます」
「それに…そんなに可愛らしいお姿を、誰にも見せたくありませんし」
彼の顔は、私の日焼けより赤かった。