温かく広い胸

柔らかな息遣い

あやすように背中を撫でる大きな手


時折思うのだ―――

こんなに近くに居ても

あなたの中には誰も近付けない場所がある

薄氷に乗るあなたをしっかりと掴まえておきたくて

岸で手を伸ばし藻掻く私は

やはり身勝手でエゴイスティックな人間だろうか


もしも

微かな甘さを孕んで溶けていくこの物体が

あなたの昏い記憶を

少しでも紛らわせてくれるなら

私は、わたしは……


こんな夜だというのに

『虫歯になるぞ』なんて嗤うから

無粋な台詞を吐くなら塞いでしまえと

再度銜えた小さな粒を形の良い唇に押し当てる

分かち合おう

苦い過去も 甘い現在も 未来も

全て


あなたが思うほど私は強くも弱くもないけど

どうか このまま 傍に……

どうしようもなくあなたが好きだと

舌先に想いをのせて溶かし込む


重ねた掌はもう熱く

隙間から忍び寄る春の夜は まだ冷たい――





『あなた』って、どのキャラでしょうね(滝汗)
同居人か、御曹司か、SPか、ゴドナルか、はたまた火アリか…?(←狡い奴)
ハッピーバレンタイ〜ン♪(脱兎…)


愛の手を…



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