HIKARI†

□始まりの場所
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No.01 始まりの場所

























ザッ……ザッ……



『はぁ―――…』


…どうしよう。森に散歩に来たのはいいものの、帰り道がわからなくなってしまった。



「チュン、チュンッ…!」



ああ。小鳥が側にいることだけが、唯一の救い……。



カタンッ


『はぁ――…』


近くにあったベンチに腰をおろした途端、また溜め息が出た。
ほんとにどうしよう…。リノ・ライト・イクスィム、16歳。もうお家に帰れません。
どうにかなんないかなぁ…。なんか…でっかい鳥が来て家まで運んでってくれたり…、秘密の扉が出てきて、ワープ!…みたいな。
ていうか本当に帰れないよ。この歳で迷子って……。
あ!


『もしかして……』





……ここで、死んだり…?



『そんなのやだぁ〜!!』

「チュ、チュンッ!」

バサバサ……


あっ、唯一の救いだった小鳥が私の叫びにびっくりして羽ばたいてっちゃった。とうとう私もひとりか……。
とりあえず気楽に考えよう、うん、それが一番だ。



『よしっ!』



かけ声(?)をかけたら、なんか気合いはいってきたぞ。



『お家に帰ろう!!』



森の中をひたすら歩いたら、絶対どこか広いところにでるよね。



すくっ


私は勢いよく立った。
そして、足を一歩前に踏み出した、その瞬間。







『うっ、わぁぁぁっ!!』


ガツッ



石につまづき、見事に転けてしまった。
只今、尻餅状態。



『い…ったぁ……っ!』



やばい、足を捻ってしまった。
もう半泣きなんですけど。



『どうしよ〜…歩けないよぉ……っ』


捻挫?捻挫かな。
とりあえず、またベンチに座る。
足を…冷やさなきゃ。
…でもここは森の中。氷なんてあるはずがない。

もうやだ……、森に散歩に出掛けた私が馬鹿だった。
家に帰りたい、足が痛い。



ズルズルズル…



私はベンチの上で横になった。


なんかもう…どうでもよくなってきた…。



『……ここで死ぬんだ、私』



どんなにあがいたって……これが、運命なんだ。



『運命を…変え…るなんて……無謀なことは……しな…い…』



意識が、遠退いてく―――…。


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