HIKARI†
□使命
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「――いいかいリノ」
『はい』
「使者を全員集めるまで、この国には帰ってはならぬぞ」
『えっ、なんでですか!?』
「まぁ、神様が択ぶ者に限ってそんなことはないだろうが、途中で使者が使命を諦めてしまったら、神様が困るだろう?」
『それは…そうだけど……』
「なぁに、心配するな。お前ならできる。私は信じておるぞ」
『ヴァレリア様…、ありがとうございます!私、頑張ります』
「では…くれぐれもこの国に足を踏み入れるなよ。もし入ったら……もう、二度とこの国から出られなくなるぞ。気を付けてな」
『はい。本当に、ありがとうございました』
――そんなヴァレリア様とのやりとりを思い出しながら、私は20メートルはありそうな大きな門を見つめた。
光の門だ。
そしてこの門を越えたら、私は使者を集めるまで……この国に帰ってはいけなくなる。
私はまだ門の前。…立ち止まっていた。
…本当は行きたくない。
だって、この国が…だいすきだから。
楽しい思い出も、悲しい思い出も、みんなここに有るの。
…全部置いていくのは、正直かなり惜しい。
でも、
私は進まなきゃ、ならないんだ。
だから………
私は歩くよ。
それが、
使命
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