HIKARI†
□『特別』な理由
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「教えて下さい!わたしが、何を守る為に使者として生まれてきたのか。……全部、知りたいんです」
自然に言葉が出た。
目の前には驚いた顔をしているリノさん。
でも、私の気持ちは…自分でも驚くくらい、真剣なんだ。
リノさんの大きく見開かれた瞳が、やがて強い眼差しに変わった。
そして力強く頷いた。
やっと…やっと聞けるんだ。
わたしが"特別"に生まれた理由(わけ)
* * *
「ラース=フェリアに…隕石!?」
初めて知ったラース=フェリアの危機に、わたしは愕然とした。
唯事ではないことはわかっていたけど、まさかこんなに深刻な問題だったなんて……。
『驚くのも無理ないですよね。私も昨日知ったばっかりで、目の前が真っ暗になった気がしました…』
リノさんは苦笑しながら、ずっと…地平線の向こうを見つめていた。
…すごい。
たった昨日知ったばっかりなのに、もう現実を受け止めて、よく先のことを考えてる。
そんなリノさんを尊敬した。普通の人間にはそうそう出来ることじゃないだろう。
「じゃあ…リノさんがこの国に来た理由は……」
『そう、使者を全員集めて、隕石を止めるため』
やっぱり、そうだったんだ―……。
「…あの、もうひとつ質問していいですか?」
『はい…』
「使者の使命ってありますよね?リノさんの…光の使者の使命って、知ってますか?」
『知ってますよ』
「では―………」
これが一番、聞きたかったこと。
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