HIKARI†

□『特別』な理由
2ページ/7ページ

 


「教えて下さい!わたしが、何を守る為に使者として生まれてきたのか。……全部、知りたいんです」



自然に言葉が出た。

目の前には驚いた顔をしているリノさん。
でも、私の気持ちは…自分でも驚くくらい、真剣なんだ。

リノさんの大きく見開かれた瞳が、やがて強い眼差しに変わった。
そして力強く頷いた。



やっと…やっと聞けるんだ。

わたしが"特別"に生まれた理由(わけ)




*  *  *





「ラース=フェリアに…隕石!?」


初めて知ったラース=フェリアの危機に、わたしは愕然とした。
唯事ではないことはわかっていたけど、まさかこんなに深刻な問題だったなんて……。



『驚くのも無理ないですよね。私も昨日知ったばっかりで、目の前が真っ暗になった気がしました…』


リノさんは苦笑しながら、ずっと…地平線の向こうを見つめていた。



…すごい。
たった昨日知ったばっかりなのに、もう現実を受け止めて、よく先のことを考えてる。
そんなリノさんを尊敬した。普通の人間にはそうそう出来ることじゃないだろう。



「じゃあ…リノさんがこの国に来た理由は……」


『そう、使者を全員集めて、隕石を止めるため』



やっぱり、そうだったんだ―……。



「…あの、もうひとつ質問していいですか?」

『はい…』

「使者の使命ってありますよね?リノさんの…光の使者の使命って、知ってますか?」

『知ってますよ』

「では―………」





これが一番、聞きたかったこと。

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ