HIKARI†
□見えない敵
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突如現れた鯨のような巨大な生物。
砂鯨と呼ばれていたあたり、やっぱり鯨なんだ。
って、んなこと呑気に考えてる場合じゃないって!!今絶体絶命なんだって!!
「ブォォォォオオン!!」
目の前にいる地面から砂と共に飛び出した砂鯨は赤い目を光らせて、今にも私たちに襲い掛かってきそう。
って…、え……?なんか砂鯨がどんどんこっちに近づいて……
『来たァァァァアアっ!!』
もしかしたら、なんて思いたくなかったから無理矢理頭の中からもしかしてを消去したのにぃ!!なんでこうこの砂鯨は次から次へと恐ろしい動きを見せてくれるのかなぁ!!?
見たくないよ!!だったら目ぇつぶればいいじゃんなんて第三者的な立場の読者さまはそう思うかもだけどさぁ、駄目なんだよ目ぇつぶっちゃ!!
ちょっと目を離したらスキをついて襲ってくるからね!?この鯨ァァァ!!
『マジで襲ってきやがったコイツゥゥゥ!!』
え、ちょ、普通鯨の攻撃ってさ、でっかい口開けて丸飲みでしょ!!?なのにこの鯨そんな長くない手(っていうかヒレ?)使って攻撃してきたんですけどォォォォォ!!
なにその新技!?あ、技?
なんでもいいからこの状況どうにかして誰かァァァァアア!!
この鯨怖くてたまんないよォォォォォっ!!
パニックって言葉を説明するなら今の私を見せたほうが早いんじゃないかってくらい慌てている私の横で、ルナは持っていた自身の背丈くらいある杖を構えた。
それを天へ振りかざし、ぶつぶつと何か言った後、
「コンジェラルスィ!」
大きな声でそう叫んだ瞬間、
ピシッ
『!!』
あの
でっかい
砂鯨が
「……、これでひとまず安心です」
一瞬にして氷漬けにされた……。
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