HIKARI†
□3歩歩けば
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『ごめんね、余計なこと聞いちゃって』
「ううん、寧ろ聞いてもらえて嬉しかったよ」
『なんかあったら言ってね。私、いつでも聞くから』
「わかった。有難う」
まるで仲の良い友達のような会話をして、今度こそ私たちは歩きだした。
砂漠の上を1歩…、2歩歩いたその時。
ドォォォォンッ!!
『うわっ!』
突然すごい地鳴り、そして地面が少し揺れた。
『な、なに!?』
「……!多分、砂漠の下に居る巨大な魔物が動いたんだ。ここら辺は乾燥地帯だから人間は管理してないの!だから下には獰猛な魔物が沢山居る!」
『魔物!?なんか命に関わりそうなんですけどォォっ!!』
「このままここに居たら間違いなく巨大な魔物が現れる…!早く東へ!」
ルナは手を差し伸べてくれた。その手をとって走ろうとしたが、1歩駆け出した瞬間。
「ブォォォォオオン!!」
低くて大きい、"何か"の悲鳴のような声が砂漠に響き渡った。それと同時にとてつもなく大きな地鳴りが、ゴゴゴゴゴ、と音を立てながら地面を割った。
「まずい!ここは危ない…!!」
険しく歪んだルナの顔が、地平線の先に向いた。
と、そのとき、
ドォオオオオンッ!!
砂漠の砂が天へ、突くように舞い上がった。
『うわぁっ!!』
「……っ!」
砂埃で前がよく見えない。そんな視界の中、大きな影が、ユラリと動いた。
「なんでよりによって…!!」
さっきまで地鳴りや悲鳴が聞こえてたのに、今は静寂が灼熱の大地を支配する。
目の前には鯨のような大きい生き物。
今にも襲ってきそうで、目をギラギラと赤く光らせている。
「砂鯨が……っ!」
ルナの凛とした声が、広大な砂漠に響き渡った。
3歩歩けば
敵襲来
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