気まぐれ短編集

□鼓動に忠実
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本当にわかってる?

真っ赤な顔で顔を逸らす君が
あまりにも可愛くて
愛おしくて
俺はいろいろ大変なんだってことを―――。





「先に入ってくれても良かったのに…」

今日は俺だけ少し寄り道してから帰宅する事になったため彼女に鍵を渡していた。なのに部屋には行かずエントランスで待っていたのだ。

「やっぱり…勝手には…」

礼儀正しいというか彼女らしいというか…。
またそこが彼女の良い所でもある。
いつも「どうぞ」と招き入れるまで部屋には入らない。

そんな俺の『彼女』。


二人で並んでエレベーターに乗り部屋に向かう。
その短い時間ですらやけに甘く幸せな時間でこのままどうにかなりそうなりそうだ。

フワフワとドキドキが入り混じるこの感覚にいつになったら慣れるんだろう?

いつも彼女の前では余裕がなくなる―――。

とりあえず玄関の扉を閉めたら

『キスしていい?』

って聞いてみよう。

真っ赤になって目を逸らすあまのじゃくで礼儀正しい彼女の可愛い反応を見たいってさっきから凄く心臓がうるさいんだ。



End
2011.4.27

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