気まぐれ短編集

□幸せなプレゼント
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ようやく子供達が寝静まりサンタからのプレゼントが枕元に届いた。
かわいい寝顔に幸せを感じながら碓氷はそっと扉を閉めた。



「ようやく寝たよ」

リビングに戻ると美咲がソファに座り「お疲れ様」と笑顔で迎えてくれた。
美咲の隣りに座り少し大きくなった美咲のお腹を撫でた。そして先程までの子供部屋の三人の様子を話し二人で笑った。

美咲を抱き寄せ幸せをまた噛みしめる。肩に寄り掛かる美咲を撫でるとギュッと抱きついてきた。

「確か美月がお腹にいるってわかったのもイブだったな」

「そうだね」

初めての妊娠がわかったのはクリスマスイブだった。しっかり者の美月は産まれる前からクリスマスプレゼントを俺達夫婦にくれたのだ。

「あの時、拓海はすっごく喜んで大変だったな」

美咲は思い出したのか吹き出した。我ながら思い出すと少し恥ずかしくなるぐらいはしゃいでたっけ…。

「だって凄いクリスマスプレゼントだったから…」

「で、拓磨は確か美月がサンタさんに妹か弟が欲しいって言うからって…その…拓海が…」

口ごもる美咲の姿が可愛くって口元がつい緩む。

「ニヤニヤするなッ!」

上目遣いで睨まれた。

「そんな顔したら今夜も襲いたくなるんだけど?」

真っ赤になった美咲をギュッと抱きしめた。

「昔はクリスマスなんてって思っていたけど美咲と出会ってからどんどん変わっていった…」

つまらなくってくだらない日々だったのに美咲の笑顔が一瞬で変えてしまったね。

「結婚して子供が産まれて…とうとう拓海はサンタになったしな」

二人で顔を見合わせて笑った。

「あっ…拓海、雪…」

いつの間にか窓の外は雪が降り出していた。

窓に近づき外を眺める美咲を後ろから抱きしめると美咲が手を添えてきた。

「美咲、好きだよ…これからもずっと」

耳元で囁いて赤くなった美咲の耳にチュッと幸せなリップ音を鳴らした。



End
2009.12.12

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