Ⅰ
□僕の遺書。
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
ここに
僕が生きていた
足跡(ｼﾙｼ)を残しておきます
誰も気づかない
それでもいい、
誰も覚えてない
それでもいい
ただ 僕のことを少しでも
覚えてくれているのなら
今すぐその僕を
記憶から消してください
それが僕の願い
それが僕の遺書。
誰かに覚えていて
ほしいんじゃない
みんな 僕のこと
忘れてほしい
それしか僕の願いはないんです
出会えたことに
感謝はしません
生きてこれたことに
感謝はしません
親不孝者でごめんなさい
僕は消えます
お願いです
僕の存在を
君の頭の記憶の中から
消してください
僕の存在なんか
1mmも残さないでください
ありがとうは
言いません
さようならとも
言いません
僕は居なかった
それですべて
忘れてください。
目を閉じて
もう何もなかった
そう言い聞かせてください
つらいことなんて
何もありません
悲しいことなんて
何もありません
すべてを消してください。