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□花火散り 黒が咲く
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 パッと弾けた 華の光
 綺麗に輝いて 消えていった
 ああ、そして見えるのが
 無限の黒。

 1人の少女 華に手を伸ばす
 けれど 届くはずもないから
 それをいとおしげに見つめて
 消えていった 光
 黒に包まれて 少女もまた
 きえていった

 ―――永遠につづく光、そんなものこの世に存在するのかしら…

 ぐるぐる廻って
 急にとまって
 息づく命 静かに雫落とし
 君なら助けてくれる?と
 綺麗に羽ばたく 光に
 少年は手を伸ばす…

 少女は笑う
 「あなたもわたしと同じ」

 絶望は絶望をよんで
 それ以外何もなくて
 少年と少女は届かない希望に
 希望を重ねて
 知っていた わかっていた
 そんな光どこにもないのだと

 ―――いつか終わる?いいや、終わらせなきゃ。

 ぐるぐる廻って
 廻り続けて
 息止める命 静かに笑った
 もうすぐ終わるよと空に告げて
 綺麗に消えたあの 光に
 もう手を伸ばすこと何て
 きっとないだろう

 少年は笑う
 「どうしてだろう、終わったはずなのに…」

 2人は消え去り
 いのちも消え
 残ったのは 華の光
 また同じことをだれかは
 繰り返す
 無限の黒 無限のひかり

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