腐男子日記

□序章*まだ平和、会長は仕事してください
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副会長の相川龍深(アイカワタツミ)は仕事を終えてからぐっすり寝ているから、まぁ、良いとして
問題は会長の綾川莉紫(アヤカワリシ)だ

────その会長の机の上にあるエベレストのごとき書類の山は幻覚でしょうか?

あまりの溜まり具合に信じられなくなって、僕は自分の頬をつねる
当たり前だがかなり痛かった。目の前にある山は幻覚ではなく現実であることを再認識させられた。
つまり会長は全く仕事をしていない。ということだ

やるときはやる人なのだが、いかんせんその火がつくまで、大分時間がかかる。
いつもエベレストかそれ以上じゃないの?というくらい書類をためてから、土日の丸二日かけて書類を終わらせるのだ。
ただ、会長は寮通いではなく自宅通い故に『1人で』仕事をしているかどうかは………正直わからない。時折似ているが微妙に違い、見覚えのある筆跡の書類がちらほらあるからおそらく兄である綾川舞都(アヤカワムト)に手伝わせているのだろう
判断材料としては時折見かける書類の字は彼の筆跡に瓜二つだということ。


いつものごとく会長だけでできそうな書類と生徒会で話し合わなければいけない書類を仕分けていく。
ちょくちょく期限間近や期限切れの書類を見つけては涙腺が崩壊しそうになる。

カリカリ、パサ、カサ

そんな音だけが生徒会室に響いていた。

そんな中、僕がふと手にした書類、なぜかその一枚が無性に気になって仕訳の途中だと言うのに読み始めてしまう

そして、

「あぁぁぁぁああああ!?」

叫んでしまった。
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