霧と雨の物語

□2、知りました
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「あと部屋いくつあんだよ………」

ヴィヴィアンの家………というよりは屋敷に住み着いて1ヶ月。

本当にヴィヴィアンの家は広くて、よく使っていると言っていた所以外の部屋全てがホコリだらけだった

最悪、蜘蛛の巣が張っている。
どうやら、一人、というのも本当らしい。
俺のここのところの日課は使われていない部屋を掃除すること
1ヶ月掃除し続けてるのにホコリだらけの部屋はまだたくさんある。
今までは掃除なんて大嫌いだったが、今では楽しくて仕方ない。

「サーベル掃除してくれたんだありがとうね♪」

この言葉が凄く嬉しいから。
俺がヴィヴィアンの力になれてるのが凄く嬉しいから。

今日も外はしとしとと雨が降っている。

湿気があるとホコリが取りにくくて困る

最近、雨が降る頻度が確実に増えている。
三日に一度だったのが、二日に一度………しまいには毎日降っている。『僕は晴れより雨が好きだからいいんだ』とヴィヴィアンは言っていたから雨が嫌いではなくなった

多分俺は、今ヴィヴィアンに『恋』をしているのかもしれない。
細かい動きも気になるし、なにより暮らしている内にヴィヴィアンの事をもっと知りたくなったから
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