たまに、考えることがある。
山本はいつも、僕のことが好きだって、何度も言ってくれる。それはなんだかすごく嬉しいことで、すごく照れ臭いこと。
山本はいつも、僕のことを好きだって、身体中で伝えてくれる。頭を撫でてくれたり、思いっきり抱き締めてくれたり、優しく口付けてくれたりする。
それじゃあ僕は?
僕は、山本みたいに素直に好きって伝えるのが難しい。頭を撫でてあげることもぎゅって抱き締めてあげることも自分からキスすることだって、してあげられてない。
これってすごく山本に対して失礼って言うかなんていうか、そう、山本にもわかってほしいんだ、僕が君を君の考えてる以上に想ってるってことを。
じゃあそれを伝えるために何をしたらいいんだろ。
山本が応接室に僕を迎えにやって来るまでの放課後の時間、ずっとそれを考えていた。
「で、今オレは押し倒されてると」
「これしか思い付かなかったんだよ」
「そっか、いやでも嬉しいのな」
そう笑う山本は、僕の頭を撫でてくれた。嬉しいって言ってくれたことが嬉しい。
さりげなく僕を抱き締めながら身体を起こして向かい合わせにしたのは、きっと山本の優しさだ。
「ねぇ、山本」
「ん?」
「僕はね、…君のことが好きなんだ」
「うん」
「君が考えてる以上に」
「…ん」
「だから、」
「うん?」
「…君ばっかりが、好きだって思ってるって思わないで」
「……ヒバリぃっ!!」
ぎゅうと苦しいくらいに抱き締められた。死ぬほど恥ずかしいけど、これならこの真っ赤な顔を見られなくてすみそうだ。それは多分山本だって同じの筈。
そろそろと背中に手を回して山本の服にしがみつく。…暖かい。
(……山本の、におい)
すごく安心する、太陽みたいな人。
惹かれていたんだろうね
(ずっと、ずっと、前から)
100題一発目!
いきなりの砂吐き甘々申し訳ないです←やっぱり山雲最高です山雲で広がれ友達の輪!!(アイタタタ)
090921