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小さな手
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例えばあの屈託のない笑顔だとか、オレだけに見せるあの焦った顔だとか、真っ赤になった顔とか愛してると囁くあの表情だとか、はたまた滅多に見せない泣き顔とか。とにもかくにもオレは随分優越感に浸っていた。皆が知らない彼の素顔をオレは知っている。それだけで充分すぎるくらいオレは幸せだった。
何だかんだでいつの間にかオレは彼に心を開いていたし、彼もまたオレに心を許していた。それを感じることができる瞬間が、すごくすごくすき。




「10代目、こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまいますよ」

「…ごくでらくん?」




いつの間に眠ってしまっていたのか。大好きな人の声を目覚ましに、オレの脳はゆっくりと覚醒していく。まだぼんやりとした意識の中で、無意識に手を伸ばせば答えるように包まれたそれ。あたたかくて、ここちよい。まるでまほうの手だ。




「おはようございます」

「うん…………」

「10代目?」

「魔法使いみたいだ」

「魔法使い?」

「魔法で、誰かをしあわせにするんだ、獄寺くんはオレをしあわせにしてくれるから、獄寺くんは魔法使い…」

「…そんな、大それた役目なんてしてませんよ」

「そ、かな」

「そうっすね、強いて言うなら我が儘な狩人です」

「狩人、」

「ええ。自分のやりたいことを好きなようにやってるだけっすから」

「でも、そのやりたいことがオレのしあわせに繋がってるんだ」

「…」

「ふたりのしあわせが重なって…こんなにしあわせなことはないね。君となら…ずうっと……」




また遠くなる意識の中で、獄寺くんはすごく綺麗に微笑んでいた。ああ、しあわせだ。君とならきっと、しあわせが二倍にも二条にもなるんだろうな。

そしてなによりその微笑みにきゅうと心臓がうなりだす。かっこいいなあ、オレの旦那様は、なんて。繋がった手は今世界で一番しあわせものだ!






















さな手


(だいすきがたくさんつまってるこのてをはなしたくない。)
























河原にごろんとしてるイメージです。可愛いお話を書きたかったんですがうーん。やっぱごくつなすきだ!!



091102

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