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□独自ルート
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「恋は盲目と言う言葉を知っているかい?」
ヒバリは空を見上げながら突如言い放った。
秋の空は高いんだって親父が言ってたけど見上げる空はいつだって高くて広い。どんなに手を伸ばしても届かないし、飛行機に乗ったって空はやっぱり上にある。
ひんやりと空気の冷たい屋上で空に向かって手を伸ばした。
「聞いたことはあるよ」
「人間は自分の欲に関しては盲目なんだ。周りがどう思ってるかなんて考えようともしなくなる」
だから人間は嫌なんだ、ってヒバリが呟いた。オレはゆっくり手を伸ばしてなるべく優しく隣に寝転ぶヒバリの手を握った。
ヒバリが眉間に皺を寄せてこちらを睨んでくる。
「君も、随分盲目みたいだね」
「人間だからなー」
「知ってるよ」
「ヒバリだって、人間だ」
「…知ってるよ」
「あー、すげーヒバリ、すげー好き」
「…僕は嫌いだ」
「ひでーのなー、オレなんて一日中ヒバリの事考えてんのに」
「君、もうストーカーだね」
「愛故なのな!」
「うざい」
だから人間は嫌なんだ、ふいと向こうを向いてしまったヒバリ。繋がった手は異常に熱かった。
独自ルート
(ヒバリだって盲目なのにな)
最近なんか意味不明なのばっかり書き上げる自分…もうちょっと気楽に書きたい!
091107