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□出来ない訳が無い
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アルコールによってぐてんぐてんになった10代目をなんとかアジトまで連れ帰ったのは、午後11時の事だった。その日の朝、10代目は突如行方不明となり、どれだけ電話をしても繋がらなかったのだがその夜いきなり電話がかかってきた。呂律の回っていない口調と無駄に高いテンション、完全に出来上がっておられるななんて感じながらもなんとか居場所を聞き出してバーまで迎えに行き、なかなか言うことを聞いてくださらない10代目を半ば強制的に車に押し込んで、アジトについてもまだ10代目の酔いは醒めていなかった。
「はやとぉー」
「10代目、水、どうぞ」
「へへ、ありがとー」
「いえ、今日は早めに寝てくださいね」
「おれこどもじゃないよ」
「わかっていますよ。でも明日は忙しいですから」
ね、と促すように言えばむすっと頬を膨らませて唸る10代目。そう、明日はきっと忙しくなる。なんたってリボーンさんやらヒバリやらが仕事が片付かないとかなりご立腹だったのだ。明日はそれを直に受ける10代目も大変だが、それをフォローするオレも頑張らなくてはならない。
「…10代目、今日は一体どうしたんですか?」
「はやと、」
「はい?」
「ふたりきりのときは、」
「綱吉さん、今日はどうしたんですか?」
「ん、サボり」
「…やっぱり」
「前に山本が言ってたランニングコースを一週したり、お兄さんのボクシングの練習場を覗いてみたり、京子ちゃんとハルのおすすめのケーキを食べたり、イーピンの大学に行ったり、ランボの行き付けの服屋さんの服を試着したり、黒曜ランドに遊びにいったり、並中に忍び込んだり、…はやとと初めて会った場所に行ったり!」
「……」
「今まで何回ボンゴレから逃げてしまおうかって考えたことはたくさんあるんだよ。でもダメなんだ。だからたまにこうやって皆に関わりのあるところとかを巡って、守りたいなあって思えるうちは、オレは逃げないって決めてるんだ」
「…綱吉さん」
「もし、オレが逃げ出すときがきたらその時は、」
一緒に来てくれる?
なんて微笑んだ綱吉さんはすごく綺麗で、温かくて。この人は、オレが一生守りたい人だと改めて強く感じた。
出来ない訳が無い
(あなたが望むのなら地の果てへでも!)
結局何が書きたかったんだ自分!
091110