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寂しさを、沈める
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気が付いたら、ヒバリがいた。

おかしい、ヒバリはアジトで囮をやっていた筈だ、おかしいのはそれだけじゃない、今オレの目の前にいるのは間違いなく大人びた10年後のヒバリではなく、あの懐かしい、オレのよく知っているヒバリだった。
一瞬、目があった。でもそれは本当に一瞬で、すぐに視線は逸らされる。頭がついていかねぇやなんてぼんやりと考えながら、ツナと入江正一の話をなんとなく聞いていた。





















「ヒバリ、待てって!」

「離せ」

「ヒバリが話聞いてくれるまで、離さねぇ」

「…」




無駄だと判断したようで、ヒバリは腕を振り払うのを止めた。

あの後メローネ基地からアジトに帰ってきて、少し休憩していたら小僧からヒバリがどっかに行こうとしてるなんて話を聞いて、傷の痛む体を無理矢理引っ張ってヒバリに追い付いた。
久々に会ったってのに随分冷たい態度のヒバリになんだか虚しくなってきたけどこれくらいじゃへこたれないのな!なんたってこのヒバリとは久々(二度目だけどここ重要)に会ったんだから。




「久しぶり、だな」

「……」

「なんつーか、色々あってさ」

「……」

「……ヒバリ、なんか怒ってる?」

「別に」

「嘘つくなよ」

「ついてない」

「…ヒバリ」

「……」

「ヒバリ」

「…僕は、」

「…」

「君が、いなくなったって聞いて」

「…」

「心配、した」

「ご、めん」

「本当に、君は、ばかだよ」

「うん」

「僕がどれだけ、君を探したと思ってるの」

「…ヒバリぃっ!」

「っ!?」




ヒバリが、心配してくれた。
ヒバリが、オレを探してくれた。
ヒバリが、ヒバリが、ヒバリが、

嬉しくて嬉しくて、思わずヒバリに抱き着いた。殴られるかなと思ったけど、戸惑いがちに背中に回された手の感覚に、胸がぎゅうっと締め付けられて、理性なんてぶっ飛んだ。




「ごめん、」

「許さないよ」

「ごめんてば」

「嫌だ」




腕の中のヒバリが、愛しくて、愛しくて。どんな言葉でも表せないくらいヒバリが大好きで。あぁもうなんかどうしようもねぇや、




「あー、幸せだ」

「バカじゃないの」

「酷いのなー」

「…相変わらずだね」

「まーな」

「……ス、」

「ん?」

「っだから、…キスで、チャラにしてあげるよ」




俯いたヒバリの耳は真っ赤だった。オレまで恥ずかしくなるのな、本当。

そっとヒバリの頬に手を添えれば、顔をあげたヒバリと目が合った。今度は、逸らさない。ゆっくりと瞼を閉じて、久しぶりに唇を重ねた。






しさを、沈める

((好きすぎて、死にそうだ))


(ってヒバリ!!どこ行くんだよ!?)
(煩いな、ついて来ないで)
(キスでチャラなんじゃ……)
(あいつらと群れるのはお断りだよ)
(相変わらずなのな…)








標的229〜230間の妄想を文章化です(´∀` )
甘々ですよぅ←
ヒバリがいなくなった山本を探して寂しがってたらいいなぁなんて思いました!
別人ですみません!



090720

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