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□そんな日常
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チャイムが鳴った。
その音でハッとして時計を見れば、すっかり遅くなっていた。小さく息をはいて提出書類を束ねてから立ち上がったと同時にノックもなしに扉が勢いよく開かれる。
「おっ、ラッキー!間に合った」
「…毎日毎日よく飽きずに来るね、ノックぐらいしなよ」
「今日は部活が終わるの遅かったんだー」
「君話聞いてるの?」
に、と笑う山本武に、思わず怒りを通り越して呆れてしまう。部活が終わると必ず応接室にやってきて、一人で勝手にべらべら喋りながら一緒に帰る。
今だって仕事終わったんなら帰ろーぜなんて鞄を持ち上げた。その頭にポフンと黄色い鳥が止まった。
「おー、初めてだ、頭に乗ってくれたの」
「そうだっけ」
「おう!」
「ふぅん…」
鳥を意識してるのか、ゆっくりと歩く山本を見て思わず吹き出しそうになったもののそこは堪えて彼の横を通りすぎる。
暗くなり始めた道を山本の話を聞きながら歩く。笑ったり困ったり面白いやつ。でも、最近この時間が嫌じゃない。なんて、僕は一体どうしたと言うんだろう。
「でさー、130kmのバッティングマシーンだったんだけど、一回もホームランできなくてさー」
「へぇ、」
「………ヒバリ、」
「…?」
「オレ、ヒバリが好きだよ」
「…知ってる」
「そりゃ助かる」
「……」
「はは、それだけ!」
「あのさ」
能天気に歩き出した山本の襟をぐいと引っ張って、その頬に唇を落として耳元で呟けば真っ赤になって口をパクパクと金魚みたいにして。放置してやればヒバリ、もう一回!と抱きつこうとした山本をトンファーで殴ってやった。
そんな日常
((僕もすきだよ、なんて))
勢いに任せて書いてみた!
090720