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カラメル味の恋心
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「獄寺くん、あーん」




ごとん、鈍い音をたてて分厚い本が落ちた。

目の前にはプリンの乗っかったスプーンをオレの口元に持ってきて上目使いの10代目、いやまてまて可愛すぎるだろう…じゃなくてこれは属に言うあーんじゃないか、どうする、オレ?どうすんのよ!?




「獄寺くん、話聞いてるの?」

「聞いてますけど、え、10代目?一体どうなさったんですか、え?」

「だから、このプリンおいしいから獄寺くんにもあげようと思って。はい、あーん」

「いやいやいや10代目!待ってくださいなんの気紛れにございますか」

「文句あるならあげないけど」

「そうではなくてですね、つまりその」

「あ、早く早く!クリーム落ちちゃうよ!」

「え?ああっ」




ぱくん、クリームが落ちる直前にスプーンを加え込んだ。ちらりと10代目の顔を覗けば、満足そうににこにこと笑ってオレを見ている。可愛すぎます10代目!!

ごくんとプリンを飲み込んで美味しかったと伝えればそうでしょ、と嬉しそうに言う10代目。うわぁなんて幸せなんだオレはと思わず大きい声で叫びたい衝動に駆られたが我慢した。




「ところで10代目、なんでその…いきなり」

「たまには甘やかしてほしいんだって」

「は?」

「つんつんばっかりじゃ不安になるって」

「あの、一体…」

「ちゃあんと表現してほしいんだって」

「10代目?」

「大好きだよ、はやと!」

「……な、え、」




思考回路が止まってしまった。今、なんて?普段はそんなこと絶対に言わないのに、なんてずるいんだこの10代目は。

満足したのかまたプリンを食べ始める10代目。その耳が少し赤かったのは、きっと見間違いじゃない、と思う。









ラメル味の恋心

(10代目、オレもあーんやりましょうか)
(え、い、いいよ別にっ)
(遠慮なさらずに!)
(…う、ん(これってやらなきゃダメかなぁ…))










ツナさんへの入れ知恵犯人はもっちゃんです←
微妙に「いつもみたいに笑ってよ」に繋がってる作品だとかそうじゃないとか。



090802

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