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不器用な君の愛情表現
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「ヒバリ、弁当食おうぜ!」

「忙しい」

「釣れないなー」

「なんでいちいち僕のところに来るわけ?群れるのは嫌いだよ」

「オレがヒバリと群れたいのー」

「はぁ」




くだらない、とばかりにため息をつくヒバリをよそ目に、弁当を開く。

外は強い陽射しが照り付けてじりじりじりじり見てるだけで熱くなる。この炎天下の中部活かぁ、なんて危うくため息をつきそうになった。
おにぎりにかぶりついているとヒバリが隣に座ったのがわかった。もぐもぐとオレの弁当を勝手に食べるヒバリ。まぁおにぎりと購買のパンで我慢しよう。




「ヒバリ、弁当は?」

「ないよ」

「んー?いつも持ってきてなかったっけ?」

「草壁が勝手に用意する。今日はあいつ休みだから」

「へー、」




草壁さんも頑張ってるんだなーなんてパンの袋を開きながら考えた。

最近ヒバリとの会話がよく続く。前はオレが喋ってばっかりでヒバリはへぇとかふぅんとか相槌だけだった(相槌打ってもらえるだけでもマシなんじゃないの?なんてツナに言われたけど)。でも近頃はちゃんとヒバリも話してくれるようになった。まぁ一応は恋人っつー関係にあるんだからこれくらいの進歩はないとな!うん。

さて、オレには今悩みがある。オレとヒバリは恋人同士(二度目だけどのろけじゃないぜ!)で、まぁ一応そのなんだ、ちょっとくらいイチャイチャしてみたいんだよな、だってオレ14さいだぜ?そう言う年頃な訳だよ。でもヒバリはそう言うの好きじゃないのかなーとか思う。いやだってただでさえ群れるな咬み殺すの最強(最凶)風紀委員長、しかも照れ屋でちょっと近付くだけで殴られてみろよ、なんかもう悲しくなってくるだろ?獄寺には贅沢な悩みだなんて言われたけどオレとしてはかなり、かーなーり真剣に悩んでるんだ。しかも夏ともなればヒバリは暑がって触らせてくれないしほんともうツンデレを通り越してツンツンだ。




「山本?」

「え?」

「…さっきから呼んでるんだけど」

「っわりぃ!考え事しちまった」

「…まぁいいけどね、5限始まるよ」

「やべ、もうそんな時間か!じゃあヒバリ、また後で……」




くい、なんて効果音がしそうな感じでヒバリに袖を掴まれた。どうしたことかと名前を呼べば、何やら小さく呟き出す。あまりにも小さい声で聞こえなかったもんで、顔を近付けてもう一度言うように催促してみる。

そしたら、襟を掴まれて思いっきり引っ張られた。





「え、」

「……」




本当にぶつかった程度のキス。

…キス。

え、まじで?




「うそ、ヒバリ!」

「黙れ」

「やべ、押し倒していい!?」

「はぁ!?」

「だって色々反則だぜ!?」

「ふざけるな。暑いから嫌だ」

「いっぱい汗かいたあとは涼しくなるんいだっ

「この万年発情期!暑いから近寄るな」

「クーラーつければいいのな!なんのためにクーラーついてるんだって」

「別にこう言うのに利用するためじゃないから、さりげなく近寄るな」

「冷たいのなー。じゃあなんでキスしてきたんだよ?」

「……気紛れ」

「…またまた、オレわかってっから」

「……」








器用な君の愛情表現

(本当は暑いからってオレが近寄らないの、寂しかったんだよな?)












キリ番ゲッター眞山ハイチ様へ捧げます!

夏で青春っぽい山雲。とのリクエストをいただきまして、個人的にかなり楽しく書かせていただきました。

が、
なんてぐだぐだ…夏を取って付けたような感じになってしまいました。しかも山本が盛ってて申し訳ない!うちの山本は年中こんな感じです(コラ)。

ハイチ様のみお持ち帰り、返品オッケーです!もちろん書き直しも受け付けます!!
では、ありがとうございました!



from花守


090813

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