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□予想外でした。
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「ねぇ、山本武」
そう言って、ヒバリは妖艶に微笑んだ。
オレはこのヒバリのことをよく知らない。オレが知ってるヒバリはもっと幼くて、こんな風に笑ったりしないんだ。時が流れるってすごいことだよな。
「何を緊張してるのさ」
「や、だって、こうやってちゃんと話すの、初めてっつーか、…久しぶりっていうか」
「…成る程ね」
「…」
「10年前と同じようにってわけにはいかないね」
「すいません…」
「謝ることなんてないけど。君らしくもないね」
「努力、します」
「そう」
楽しそうに笑うヒバリを前に、オレは確かに緊張していたんだと思う。小僧との修行の後、恐らくツナの相手をしていたばかりだと考えられる10年後のヒバリにちょっと話そうか、なんて部屋につれてこられた。普段ヒバリは部外者をここに入れないらしい、ピンとはった空気に、静かな和室。ヒバリらしいななんて思った。そのうち草壁さんが和服の替えを持ってきてくれて(オレの着てるやつは小僧との修行で汚れてたから)、着替えて戻った頃にはヒバリもスーツから和服になっていた。その綺麗な姿に思わず目を奪われたことに、ヒバリは気付いていたのかな。早かったね、なんてこちらを振り向いたヒバリに向かいの座布団を勧められて、冒頭に戻るわけだ。
「10年後の君がね、」
「え?」
「10年後の君が初めてこの部屋に入ったときも、同じような反応をしていたよ」
「…へぇ、」
「変わらないって、いいことだなぁと思った」
「はは、…ヒバリ、も、変わってないっスよ」
「そうかな、」
「負けず嫌いで、綺麗で、かっこよくて」
「ワオ、」
「口癖も、あと見えないとこで気を使ってくれてるとことか」
「…10年後の君も、同じことを言った」
「せ、成長してねぇ」
「ほんとにね。…でも、」
「?」
「僕はね、そんな君のことが大好きなんだ」
予想外でした。
((誰が予想できようか!))
真っ赤になったオレを見て、まだまだ子供だね、なんてヒバリは笑ったけれど、あんたの頬が微かに赤くなってるの、気づいてないわけじゃないからな!!
山雲の日!
に書いたものです。気が付いたら19日、やっちまった。
雲山っぽくなってしまったので…最後は強気な武くんで山雲と言い切ります!
090818
090819