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拝啓、君じゃなきゃ
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拝啓、10年後の雲雀恭弥様。


前略、お元気ですか?オレは相変わらずヒバリに振り回されまくりです。ヒバリは本当暴れん坊のじゃじゃ馬で、キレたら手がつけられません。まぁ可愛いところもあるんだけどな!10年後のヒバリはどうなのかなーなんて考えています。


まぁ変わってようが変わってまいがヒバリはヒバリだし、オレはヒバリが大好きです。何年たとうがオレは変わらずヒバリが大好きだって胸はって言える!照れ屋で、甘えん坊で、綺麗なヒバリを愛してる。…やっぱ言葉じゃ表しづらいのなー…こういうことは態度で示さねーと!
つーわけで、続きは10年後のオレにねだってやってください!すっげぇ喜ぶと思う。オレが言うんだから間違いねーのな!

それでは、末長くお幸せに。


敬具、10年前の山本武。



























拝啓、10年後の山本武様。


…何を書いたらいいのか、わからないけれど。取り敢えず僕も君も元気だよ。君が応接室に押し掛けてくるようになって、僕はなんだか変わってしまったみたいだ。君は不思議なやつだよね。


でもね、そんな君と一緒にいる時間、嫌いじゃないんだ。僕は素直じゃないから、言葉に出したりはしないかも知れないけど、僕は10年前から変わらずちゃんと君を好きなんだよ。
初めて僕に好意を向けてくれた他人は、君。誰もが恐がって僕を避ける中、君だけは真っ直ぐに僕を見てくれたよね。実は感謝してた。君がすごく眩しかった。嬉しかった。

それじゃあ、これからも僕をよろしくね。


敬具、10年前の雲雀恭弥。
























「ヒバリ、できた?」

「…うん」

「ヒバリが書いた手紙、すごい気になる」

「だめ、内緒だよ」

「はは、だよな!」

「…」

「それじゃ、埋めるか!」

「うん」




ざりざり、小さなスコップで地面に穴を開けていく。お互いに一言も喋らず、強い日光が照りつける中作業を続けていった。

ある程度掘って、二人の手紙が入った缶をくぼみに入れる。再び地面を平らにした。




「じゃあ、10年後の今日にこれを掘り出す!」

「うん」

「それまでは掘り出すの絶対に禁止な!」

「そんなことするわけないでしょ君じゃあるまいし」

「オレだってしないって」

「ん、指切り」

「おう」













啓、じゃなきゃ


(敬具、あなたの恋人)





















「あ、土とかついてら」

「時代を感じるよね、」

「えーと、はい、雲雀恭弥様」

「どうも。はい山本武様」

「サンキュ」

「…」

「…楽しそうだな」

「楽しいんだよ、すごく」

「オレも、」

「家に帰ったら、じっくりと読もうかな」

「何書いたか覚えてねぇや」

「そっちの方が面白いよ。帰ろう、武」

「帰るか、恭弥」








追伸

お返事待ってます。
























キリ番ゲッターひより様への捧げ物です。
大切なものをテーマにリクエストをいただきました!…テーマとの繋がりが浅いような…あと拝啓敬具の使い方に自信がない件)←
それでも書けて大満足の作品です!

ひより様、よろしければお持ち帰りください!返品書き直し受け付けます!
ありがとうございました!!



from花守

090823

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