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スターチス
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「お誕生日、おめでとうございます!!」




ばさっ。
大量の花が地球の重力に引っ張られる音。真っ赤な薔薇の花束からふわりといい匂いがして、なんだかくすぐったい気持ちになる。お礼を言って受け取った花束は、案の定ずしりと重たかった。獄寺くんはなんのためらいもなく、「オレの愛の重さです!!」と言って爽やかに笑った。どうしようもなく恥ずかしくなったので、薔薇の花束を抱えるようにして顔を隠す。




「それと、これもどうぞ」

「?」




手にぎゅっと握らされたのは一輪のピンク色の花。…この花、見覚えがあるかもしれない。なんだったかなぁと記憶の引き出しをひっくり返していると獄寺くんは照れ臭そうに言う。




「実は10代目のお宅に向かってましたら道端に咲いてまして…なんだか綺麗だったんで、摘んできちまいました!」

「ふーん………あ、」

「10代目?」




思い出した。
あれはオレが小学6年生の時のこと。その日は母さんがやけに上機嫌で、鼻唄なんて歌いながら行動していたもんで、理由を訪ねてみた。




「お母さんね、今日はずーっと気になってたことがわかったのよ」

「気になってたこと?」

「ツー君のお父さんがね、昔可愛いピンク色のお花をくれたのよ。道に咲いてた花なんだけど、綺麗なピンク色だったから摘んできたって」

「ふーん…」

「だけどね、お父さんの鞄からお花屋さんの袋が出てたのよ。どうして隠すんだろうって思ってたんだけど…今日その理由がわかったの」

「なぁに?」

「このお花の花言葉。きっと恥ずかしくなっちゃったのねー…」




その時母さんが嬉しそうな顔をして持ってた押し花はなんだか印象的で、今でもはっきり思い出せる。
そして今、獄寺くんの鞄からちらりと覗く花屋のビニール袋。多分間違いない、獄寺くんも父さんと一緒だ、なんてすこし可笑しくなった。




「…獄寺くん、」

「はい?」

「ありがとう、オレも、獄寺くんへの気持ちは変わらないよ」




そう言えば、少しきょとんとした後で困ったように笑う獄寺くん。ご存知だったんですね、なんて耳元で囁いて、そのままゆっくりと世界は反転していくんだ。愛してるって何度も何度も響きながら。




















ターチス


(永遠に変わらない愛。)






















綱誕!
スターチスの花言葉が素敵すぎて使っちゃいましたはは← これからも柔らかいツナでいてください!

Tsunayoshi,
BUON COMPLEANND!



091014

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