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□赤い糸
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優しく絡み付くそれは僕の幻覚なんかじゃなくて君が見ているイメージ。





「恭弥?どうしたんですか、これ」

と違う中学にいる恋人を訪ね、応接室をあければそこはまるで別世界のようになっていて、その部屋の隅々まで張り巡らされた白い糸を見て恋人である風紀委員長、雲雀恭弥その人に尋ねた。

「えっとね、これは僕の夢に出てきたものを再現してみたんだ。」

そう言って部屋の隅々から伸びた糸で少し動きづらい程度に絡めとられている恭弥は言う。

「僕がずっと見てた夢なんだ。最初はこんなんじゃなかったんだよ?」

そう言って笑む恭弥に糸を払いながら近づきため息をつきながら僕はその糸を恭弥からとろうとした、

すると恭弥は、駄目だよ。と言って眉をひそめた。

「なぜですか?」

「まだ終わってないからさ。これはね、本当は色があるんだ。なんの色だったのか思い出せないんだよ」

と言って可愛らしく首をかしげた。

「クフフ…恭弥は可愛いですね」

そういってちゅっ、とおでこにキスをすれば少し頬を赤らめる恭弥。

「クフフ…」

「//……ね、ねぇ、この糸の色、何だと思う?//」

そう言って僕の顔を横目に見る。

……

「そうですねぇ…」

「僕ね、その夢の最初は一本の糸だったの。だからそれをたどれば何か見つかるかもって、近付いたんだ。」

そう言って僕をじっと見る。

「…その先には何かあったんですか?」

そう問うと、

「……ううん。」

と言って少し間を置いて

「たどっていったら糸が増えていったんだ。こんなふうに。僕はだんだん動けなくなって、でも動けないわけじゃないんだよ?この糸本当は凄く脆いんだ。少し無理して動いたらすぐに千切れちゃうんだ。」

そう言って恭弥は糸が張る程度に僕に手を伸ばした。



千切れる音もたてずに恭弥の背後で数本の糸が切れた。

恭弥は少し悲しそうな顔をして、

「…ごめんね、なんだかおかしいんだ。気付けば千切れちゃってて、もう元には戻らないんだ。でもね、骸がいつも糸と糸を結んで直してくれるんだ。」

そう言ってにっこりと笑んだ恭弥に僕は目を見開いて、すぐににっこりと笑って恭弥にキスをする。

「ねぇ、恭弥。この糸の色、赤じゃないんですか?」
恭弥を抱き締めてキスをしてそう言えば、

「ん//……ぇ、あ、…うん。そうだったかも。//」

と言ってふにゃりと笑う。

「クフフ…悪戯好きですね。そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。色なんて最初から分かってたんでしょう?」





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