青春1ページ!

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青く晴れた空、白い雲、吹き抜ける風。
そんな天気の下、私たちは居た。


「あーもう最悪!」

私、櫻井凛は今、学校の屋上に居る。時刻は昼。
私は食べかけのメロンパンを一旦置き、持参したオレンジジュースに手を伸ばす。そして先ほど声をあげた近藤美咲に目をやる。
美咲ことみっちゃんは食べ終わったお弁当箱を地面に放り投げ、嘆いた。

「まあ仕方ないんじゃない?別にクラスが違ってても死ぬわけじゃ無いし」

可愛らしいウサギ型のリンゴをくわえて言ったのは、篠崎健太。

「だって私だけ一人って酷いと思わない!?」

すかさず反論するみっちゃん。

「落ち着けって。過ぎたことを嘆いたって無駄無駄!」

ケラケラ、と笑い地面に寝転がる佐々木奨太。
みっちゃんは奨太をキッと睨む。

「人事だと思って!」

「でも近藤、運無さすぎ…!」

哀れむように伊藤がみっちゃんを見た。
うるさいわね、と伊藤を一発殴り、みっちゃんは再びうなだれた。

何故みっちゃんがこうも嘆いているのか。それは毎年恒例のクラス替えが原因である。
今日、めでたくも高校2年になった私達は心を弾ませ登校した。クラス替えという楽しみがある為。
だが、残念ながら結果はそう良いものでは無かったのだ。

「良いよね凛は!健太と同じクラスでしょー?」

「え、まあ…」

「それで奨太と伊藤も同じクラスでしょ!?そして私だけ違うクラスってどういうことよ」

うーん、と苦笑いすることしか出来ない私にみっちゃんはため息をついた。
そう、楽しみにしていたクラス替えは、A組に奨太と伊藤。C組に私と健太。そしてB組にみっちゃん、という結果に終わった。
それに納得がいかないらしく、みっちゃんは先ほどから不公平だと文句を言っている。
私だってみっちゃんと同じクラスになれなかったのは残念だけど。
伊藤がみっちゃんを宥めているのを見ながら、自分のお弁当を片付けた。そんな私に健太が声をかける。

「凛。今日さぁ、進級祝いに茜さんとこ行かね?」

「あ、良いね俺も行く!」

「茜さんのとこ?あたしも行くっ!」

健太の提案にみんなが賛成をしたので、断れるはずも無く、断る理由も無いので頷く。
“茜さん”とは私の姉で、喫茶店を経営している。よくこのメンバーで遊びに行ったりもしている、いわばたまり場のような所。

「それじゃ、放課後終わったら校門で待ち合わせな!」

「「「いえっさ」」」

いざ、僕らの基地へ!


(なんかサービスしてくれるかもね)
(やった!)
(よっしゃ楽しみ!)


10/04.凛ちゃんの台詞少ないな…。れいな


 

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