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□君の瞳に映るのは
ディノ雲←骸/死ネタ
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僕はいつものように、最愛な人の元に向かった。





「こんにちは雲雀くん」

「やぁ。また来たの?よっぽど暇なんだね」

「えぇ…まぁ」

ほんとは暇なんかない。僕は黒曜中の生徒会長をやっている。放置した仕事が山のようにある。

しかし僕は毎日、学校が終わると並中の応接室に行く。



愛しい雲雀恭弥に会うために。



もう雲雀くんの元を訪れるようになって、半年も経つ。

時の流れがこんなに早いものだなんて、初めて知った。





「そろそろ帰ってくれない?僕戸締まりして帰らなきゃいけないから」

といい席を立ち、窓を閉めた。

「戸締まりして帰る」なんて、なんと分かりやすい口実でしょう。


本当はこれから愛しい跳ね馬と会うんでしょう?

すべてお見通しですよ。




僕はずっと君だけを見てきたのだから。






「雲雀くん…愛していますよ」
僕は雲雀くんに愛の言葉を囁く。

「はいはい。もう何十回も聞いたよ」




なぜ…




「雲雀くん…」
僕は雲雀くんを抱き締める。

「ちょっと…暑苦しい」




なぜですか…




「ほら、帰って帰って」
「クフフ…分かりました。また明日来ますね」

僕は応接室のドアを閉め廊下を歩き、屋上に向かう。



―――

屋上に上がると、校門の前に赤い車が停まっていた。おそらく跳ね馬のだろう。

やはり跳ね馬と会うんですね…。

車周辺に見当たらないということは校舎の中に入ったんでしょうね。きっと応接室で…雲雀くんと…。

僕は屋上の入り口の反対側に腰をおろす。ここなら誰か来ても見つかることはない。



なぜ雲雀くんは僕を見てくれないのでしょう…。他に何をしろと?

毎日雲雀くんに会いに行き、愛の言葉を囁き、抱き締めて…こんなにも君を愛しているのに…。

何をすれば君は跳ね馬ではなく僕を見てくれますか?

ガチャ

「!!」

屋上に誰かきた。
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