純愛詩

□天真爛漫
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この話は現世に転送した話である。能力はそのまま残されたまま普通の生活を送っている。
今日は結婚を1週間前に控え衣装合わせの日であった。
井宿と結婚式をする、はな。実は今回の結婚式は翼宿・柳宿と合同で行う式でもあった。

はな「井宿〜急いで!!」
井宿「待つのだ。そんなに急いで走ったら転んでしまうのだ。」
はな「だって〜」
井宿「はな、そっちではないのだ。」
はな「似たような会場ばっかでわかんないよ〜!柳宿達もう着いてるはずだよ〜!!」
井宿「それはないのだ。翼宿の性格を考えたらそんな時間通り着くはずがないのだ。」
はな「じゃあ。あたし達より遅いってこと?」
井宿「同じに着くと思うのだ。…はな!捕まるのだ。電車よりこっちのほうが早く着くのだ。」
はな「もう、この世界では能力を極力使わないって約束でしょーー!」
井宿「緊急事態の時だけなのだ〜♪」

文句をいいつつ、しっかり井宿に掴まるはな。
その頃、井宿の言った通り…翼宿達は寝坊をしていた。

柳宿「翼宿ーーーー!!あんたのせいよ。」
翼宿「柳宿やて。一緒に寝てたやないか。」
柳宿「うるさいわねー!明日は俺が起こしてやるからまかせとけーって言ってたじゃない。」
翼宿「しゃーないやろ。あのめざまし時計、昨日までは壊れてなかったんやから…」
柳宿「あーーー!もうはな達、絶対着いてるはずよ。」
翼宿「井宿のやつ、時間きっちりしとるからな〜」
柳宿「もう、なんでこんな日に寝坊するのよ〜」

パッっとメイクを仕上げる、柳宿。

翼宿「ほな。柳宿!いけるかー?」
柳宿「大丈夫よ。この柳宿様に掛かればメイクもあっという間にー」

二人はそのまま走り出した。全力で走る二人。
井宿の術で移動する二人とちょうど同じぐらいに着いたのであった。

翼宿「ハァーハァー。あ、ずりーの!!」
井宿「翼宿、今日も汗だくなのだ。」
柳宿「便利なものねー羨ましいわ、はな。」
はな「大丈夫?汗びっしょりだよ、柳宿!」

ハンカチを渡すゆり。汗をふく柳宿。

柳宿「もう、翼宿のせいで…」
翼宿「なんで俺だけのせいにすんねん。昨日、柳宿があの目覚まし思いっきり叩いたから壊れたんやろ。絶対そうやわー」
柳宿「なんですって!!」

今にも喧嘩しそうな柳宿と翼宿。
喧嘩を止める井宿。

井宿「止めるのだ!二人とも。もっと周りを見た方がいいのだ。」

ちょうどその時、他のカップルが式の真っ最中で外で出てきたところだった。
周りに居た人がきょとんとした目で柳宿達を見ていた。

柳宿「や〜ね。おっほほほほほー。さぁ、行くわよ!みんな…」
はな「うん。」

4人は移動を始めた。移動中はなが一言。

はな「やっぱり〜ドレスもいいな〜」
井宿「…はなが着たいならオイラは別にいいのだ。」
はな「でも、井宿は袴の方が似合うし…」
井宿「オイラがメインじゃないのだ。はなが着たいものを着るといいのだ!」
はな「いいの?」
柳宿「はな〜。なに話してるの??」
はな「井宿がねー。ドレスも着ていいって言ってくれたの♪」
柳宿「あの、重そうなやつ着るの?はなは着物の方が似合うと思うわよー。」
はな「でも、ドレスも着てみたい…」
翼宿「両方着たらええやん。どーせ、タダなんやろ。」
はな「でも…時間がないって…」

井宿の方をちらっとみる、はな。

井宿「時間なら大丈夫なのだ。はながやりたいことをすればいいのだ。そのための試着の日なんだから。」
はな「井宿♪…ありがとう!!あ。柳宿も着てみたら!一緒に試着するんだから〜」
柳宿「私はいいわよ〜。」
はな「絶対、柳宿も似合うと思うよ!!!着た方が絶対いいと思う!」
柳宿「はながそこまで言うなら…しょうがないから着てあげるわ〜」
翼宿「はな、最近…柳宿おだてるの上手くなったな〜」
柳宿「翼宿?!なんか言った?」
翼宿「何も言ってへん!」
井宿「柳宿、翼宿は…」

と言いかけた瞬間。翼宿が井宿の口を抑えて、遮った。

翼宿「いわんでええって!」
はな「もう。翼宿なにやってるの〜行くよ!」

衣装会場についた四人。男女それぞれの部屋に案内されて着替えることになった。
柳宿とはながドレスを着ることになったので、翼宿と井宿にもタキシードが用意されていた。

はな「あのー、ドレスも試着したいのですが…今からでもできますか?」
会場人「大丈夫ですよ。はなさんが9号、柳宿さんが10号でよかったですね。お持ち致しますので少々、お待ちくださいね。」
はな「ありがとうございます!」
柳宿「対応がいいわね〜」
はな「うん!」

ドレスを持ってきて貰って会場人に手伝って貰いながら着替える二人。
予想以上に着るのに時間が掛かってしまった。
はな・柳宿ともに白のドレスを着た。鏡を見ながら…

柳宿「う〜ん♪ドレスでも悪くないわね!!」
はな「柳宿!あたし変じゃない??!」
会場人「お二人ともよく似合ってらっしゃいますよ。あの井宿さんと翼宿さんが来られているようなのでお通ししてもよかったでしょうか?」
はな「はい。」

ドアを開けて、井宿と翼宿がタキシード姿で入って来る。

はな「……どうかな?」

なにも言わない井宿。不安になってもう一度聞いてみることにした。

はな「そんなに変だった?」
井宿「…そんなことないのだ!可愛いのだ。はながあんまりも綺麗で可愛かったからつい言葉を失い見とれてしまったのだ!!」

照れてしまうはな。

はな「そんなに褒めないでよ〜」

一方、翼宿も同様のリアクション。

柳宿「翼宿?」
翼宿「あーーー。うん。そのー、似合っとる!」
柳宿「あんた、もっと気の利いたこと言えないの!」
翼宿「似合とるって言うてるやん。」
井宿「柳宿は、綺麗って言って欲しいのだ。翼宿!」
柳宿「そうよ。分ってるじゃない、井宿は。」
翼宿「なんやねん!」
会場人「お二人とも横に並ばれてはいかがですか?」
柳宿「そうね。」
はな「うん。」
会場人「後ろお持ち致しますね。裾に気をつけてくだ……」

会場人が言いかけた時、内裾を踏んでこける、はな。
運悪く、かがんだ柳宿の頭とぶつかってしまった。
倒れてしまう二人を寸前で井宿と翼宿がそれぞれをキャッチした。
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