純愛詩

□恋乃音
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夏だー!プールだ!
今年もこの季節がやってまいりました。
そう、プールの季節です。私、野原いちごは今年こそは、泳げるようになりたいと思い。春からスイミングスクールへと通っているのです。そこで、恋をしてしまいました。
それは、今年の春の出来事です。

いちご「あ〜もう、こんな時間!なんで、起こしてくれなかったのよ!」
母「起こしたわよ。でも、あんた寝たんじゃない!」
いちご「もう〜バス行っちゃう!!!」
母「いちご!ごはんは?」
いちご「いらない〜いってきます!」

いちごはスイミングスクールのバス停へと急いだ。ちょうどバスが来たところであった。

いちご「お、おはようございます。今日もよろしくお願いします。」
運転士「野原さん、おはようございます。」
翼宿「おい、いちご!相変わらずやな〜。」
いちご「うるさいわね〜」

このオレンジ頭の男子は、同じスイミングスクールに通う同高の翼宿。
こいつもあたしと同じく初心者クラス。

翼宿「はぁ〜。今日こそは柳宿さんのために15m泳ぐで!」
いちご「ぢゃあ、あたしは20m!」
翼宿「な〜、いちご!お前、柳宿さんとお、…俺のことどう思う?」
いちご「柳宿先生。美人でスタイルよくていいよね〜」
翼宿「ちゃうわ。柳宿さんのこと聞いてるんちゃうし。その…俺と釣りおうてるかなって〜」
いちご「は?あんたまだ諦めてなかったの?」
翼宿「うっさいわ。お前かて、井宿先生が来た瞬間から女らしくなるやん。」
いちご「いいじゃない!好きなんだから!!」
翼宿「俺かて一緒やし〜」

この二人。初心者コースの中でも落ちこぼれ。
翼宿に関しては水に入るのも最近できたとか。
二人はバスを降り、スクールへと向かった。

張宿「いちごさ〜ん、翼宿さ〜ん!こっちです。」
翼宿「なんや。張宿、今日は早いな〜!!」
いちご「ホント、どうしたの?」
張宿「今日は早く行くといいって星に書いてあったので〜」
いちご「なになにそーれ!張宿くんだけズルい!!」

この茶色髪の小さいな男の子も同じ初心者クラス。学校は別なんだけど、すっごく頭が良くていちごのよき相談者。

翼宿「な〜。張宿!今日、柳宿さんおった?」
張宿「う〜ん…柳宿先生はまだ見てないです。あ、でも井宿先生は見ましたよ!」

張宿はスイミングスクールの先生と同じ方向から来ているのであった。

いちご「ホントぉ?ね〜、井宿先生、今日はどんな服してた?!」
張宿「えっと…。たしか、スーツ着てたような〜」
いちご「スーツ??」
張宿「はい。たぶん…会議があるからだと思いますよ。」
翼宿「ほな、柳宿さんもスーツやんな〜!」
張宿「そうだと思いますよ。他の先生方もスーツでしたので…」
いちご「はぁ〜。井宿先生、今日もかっこいいんだろうな。逢えるのが楽しみ!張宿くん、翼宿行こう!」

いちご達は脱衣所へと向かった。水着に着替えて、準備運動を始めた。
翼宿がいちごのお腹の肉を掴む。

翼宿「いちご…、太ったやろ?」
いちご「もう、どこ触ってんのよ!」

翼宿はいちごに平手打ちをされる。

翼宿「なにすんだよ。」
いちご「あんたが悪いんでしょ!」
張宿「二人共、止めてください!!」

翼宿が更にいちごのお腹を摘もうとした瞬間、体が動かなくなった。

柳宿「コラっー!翼宿!なにやってんのよ。いちごが可哀相でしょ〜」
翼宿「うわぁ!柳宿さん!!急に現れんといて下さいよ。ドキドキしてしまいます〜」
いちご「柳宿先生、おはようございます。」
柳宿「おはよう。…井宿ならもうすぐ来るわよ。」
いちご「…はい!ありがとうございます。」
翼宿「なんやねん。またこいつの味方ですか?」
柳宿「さぁ、みんな準備運動はした?!今日こそ、全員15m泳ぐわよ。」
初心者1「はい。」
初心者2「は〜い!」

ドアから井宿がスタスタと歩いて来た。

いちご「…井宿先生!おはようございます。」
井宿「おはようなのだ。君はいつも元気なのだー」
いちご「(照れながら)元気だけが取り柄なんです。」
井宿「さぁ!今日も頑張って泳ぐのだ!!」
いちご「お願いします!」

いちごも初心者クラスの皆と一緒に泳ぎだした。

柳宿「翼宿!!あんた、もうちょい踏ん張りなさいよ!15mまであと少しだったじゃない。」
翼宿「ふぁ…い」
井宿「よくできたのだ、いちご!」
いちご「(照れながら)はい…。」
翼宿「なんだよ。俺だってー。」
井宿「この調子であと半分頑張るのだ。」
いちご「はい!」
柳宿「張宿〜!すごいじゃない。30m泳ぐなんて!!」
いちご「すごい〜☆」
張宿「…あ、ありがとうございます。」
井宿「みんなー!張宿を見習うのだ。みんなやればできるのだから。」
全員「はい。」
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