純愛詩

□幻想
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W結婚をあげた、井宿とはな。
はなは幸せな毎日を送っていた。
そんなある日、翼宿と喧嘩して柳宿がはなの家へと家出をしてきた時。

井宿「はな〜。この卵焼き美味しいのだ。」
はな「ホント?味濃くない?」
井宿「ちょうどいいのだ。」
はな「よかった」
井宿「オイラは幸せ者なのだ。」
はな「あたしもだよ、井宿♪」


いつものようにはなと井宿は仲よく朝ごはんを食べていた。急にドアが勢いよく開いた。


柳宿「はなー!!!!!」


そこから入って来たのは、荷物を大量に抱えた柳宿だった。入ってきてすぐに抱きつく柳宿。


はな「柳宿?!どうしたの?」
柳宿「…………。」
井宿「柳宿くん、扉が壊れるのだ。」
はな「柳宿?」
柳宿「………。」
はな「話してくれなきゃ、わかんないよ〜」
柳宿「…け…」
はな「毛?」
柳宿「…喧嘩したの…」
はな「え?」
柳宿「はな!お願い!!!」
はな「え?」
柳宿「…あいつが謝りに来るまでここに泊めて!!!」
はな「え?」
柳宿「ね〜いいでしょう。荷物だってほら、」

柳宿が指を指した場所には荷物の山が。

柳宿「お願い!!!!」
はな「あたしは、いいけど…井宿に聞いてみないと…」

はなは井宿の方をちらっとみた。

井宿「柳宿くん、まず状況を説明して貰わないとなんとも言えないのだ。仮にも、オイラ達は新婚なんだから…」
柳宿「わかったわ。話したら泊めてくれるんのよね。」
井宿「…そんなことは言ってないのだが…」
柳宿「…翼宿が悪いのよ。…あたしのような絶世の美人で綺麗で品がよくて頭の回転がよく気が利く妻を持ちながら…浮気するなんて!!!」
井宿「頭の回転もなのだ?」
柳宿「もう、絶対許さないんだから。」
はな「翼宿が浮気?うそー!!」
柳宿「本当よ。あたしも最初は信じられなかったのよ!!!!でも…毎日毎日、遅くに帰って来てはすぐ寝ちゃって次の日、そのこと聞こうって思っててもすぐに出かけちゃうし…昨日なんか…」
はな「柳宿、可哀相だよ!井宿…」

はなはウルウルした目で井宿に訴えた。

井宿「……はなまでそんな目でオイラを見ないで欲しいのだ。」
はな「じゃあ、柳宿を泊めてもいい?」
井宿「うーむ。でも一週間だけなのだ。」
はな「わ〜い!よかったね〜!柳宿!!」
柳宿「はな、ありがと。」
はな「でも…翼宿が浮気なんて、まだ信じられないな〜だって、翼宿の女嫌いは…」
柳宿「ホントよ!証拠だってちゃんとあるんだから!ほら、この写真見て!!!!」

柳宿はポケットから、ある写真を取り出した。
井宿とはなは覗き込むように写真をみた。

柳宿「ほら〜!翼宿のやつ。この女とべったりくっついて…!!!!」
はな「あ…キスしてる…」
井宿「弁解のしようがないのだ。」
柳宿「もう、許せなくって!出て来る時に翼宿の私物、全部池に投げて来ちゃったわ!!」
はな「池に?全部?」
柳宿「そうよ。」
はな「大変だぁ…翼宿…」
柳宿「はな!」
はな「あ、ごめん…」

こうして、柳宿ははなの家で居候することになった。
その後もはなと井宿は柳宿の話を永遠と聞かされていた。
その頃、翼宿は池に投げ込まれた私物を拾っていた。


翼宿「柳宿のやつ〜!なんやねん!!!いきなり、殴って来たと思ったら、今度は泣いてわめいて…終いには荷物を池に投げるなんてあんまりやわ、な〜そう思うやろ?たま!」
鬼宿「で、俺がこうして手伝わされてる訳か…」
翼宿「一人や無理やもん。俺、深いとこ無理やし!」
鬼宿「カナヅチやもんな!」
翼宿「うっさいわ。ホンマー!意味わからんし…柳宿のやつ、少しは俺の話も聞けっちゅー話やぁ」
鬼宿「おい、翼宿!これで全部か?」
翼宿「おう。たぶんな〜ありがとうな、たま!」
鬼宿「じゃあ…お礼は、」

鬼宿が翼宿の顔へ近づいて、今にも口と口が触れになった。

翼宿「たまーーー!そういうのは店だけにしてくれやぁ。こないな所、柳宿に見られたらまた誤解されてまうやろ!!」
鬼宿「わりぃーわりぃー!いつもの癖で〜」
翼宿「ホンマ〜!びっくりしたわ。まさか、あのたまが…あんなになってまうとは…昔のーー」
鬼宿「柳宿みたいだろ。」
翼宿「おう…」
鬼宿「柳宿は完璧だったしな。俺はまだまだだよ!」
翼宿「俺、最初…柳宿のこと、女やと思ってたわ。」
鬼宿「俺もだよ!俺なんか、キスされたしな…」
翼宿「たま、いつまでその仕事続けるん?」
鬼宿「この仕事は給料がいいんだよ!それに、美朱も理解してくれてるしー」
翼宿「美朱??」
鬼宿「俺の妻なんだ。この前知り合ってさ…今、美朱の腹ん中に俺の…」
翼宿「ホンマか?おめでとうさん!でもな…俺なら、給料がよくても絶対できへんわー」
鬼宿「いや、翼宿も意外にイケると思うけどな。だってさー、女誠国へ乗り込んだ時も…俺らイケてたし…」
翼宿「あれはギリギリやったぞ。軫宿がすごかったお陰で俺らバレんで済んだし。」
鬼宿「ははははっ…それもそうだな。あの軫宿はすごかったな。翼宿、今日も来てくれるよな?」
翼宿「おう。」
鬼宿「じゃあ。待ってるわ〜♥」
翼宿「すっかり板に付いとるやないか〜」
鬼宿「やだぁ〜!褒めてもなんにもでないわよ♥」

鬼宿は手伝いが終わったら、家へと帰っていった。
残された翼宿は、濡れた家具を乾かして一休みしていた。

翼宿「はぁ〜。これからどないすんねん!ベッドも濡れてもうたしな…冷蔵庫も空や。あ、井宿のとこでもおいてもらわな…」

翼宿も考えることは一緒であった。
乾かした着替えだけ持って翼宿は井宿とはなの家へと急いだ。
その頃、はなと柳宿は料理の材料を買いに街へと出かけるとこだった。


柳宿「はな、準備はいい?」
はな「うん。じゃあ、いってくるね〜井宿!」
井宿「気をつけて行くのだ。柳宿、はなが変な男に絡まれたらちゃっと守って欲しいのだ。」
柳宿「分ってるわよ!あんたは、いつまで経っても一緒ね…」
井宿「はな…くれぐれも買い過ぎには注意するのだ。」
はな「大丈夫だよ!柳宿もいるし!」
柳宿「じゃあ、行こう、はな。」

井宿ははなと柳宿が買物へと行くのを見送っていた。
はな達が出かけて数分たった時、着替えだけを持った翼宿が井宿の家へと着いた。
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