戦国BASARA
□太陽と月
1ページ/3ページ
「ゆきむら」
「はい?」
ゆきむら…ゆきむらゆきむらゆきむら…
真田幸村…
「政宗殿どうなされました?」
優しい優しいお前を、俺なんかが束縛していていいのだろうか。
そっと幸村の頬に触れれば、お前は俺のその手をまるで壊れ物を扱うかのように握る。
あぁ…あったけぇ…
コイツ体温高過ぎなんじゃねぇか?
「政宗殿の手は冷たくて気持ち良いでござるな」
体温だけじゃない…その笑顔も、なんてあったかいんだ…
「幸村…幸村…」
「政宗殿、某はちゃんとここに…貴方のお側に居りまする」
抱き締められる身体…一気に顔が熱くなる。
「どうなされたのです?今日は甘えられて、ほんに可愛らしい。」
「…うるせー…。」
心地よいお前の心臓音。
いつか俺は此処を刀で貫くのだろうか。
もしくは俺の心臓が…こいつの槍で突き刺されるのだろうか…。
ふと幸村が襖から覗く月を見る。
「某…政宗殿の太陽になりたいでござる」
「Ha…?」
急に何言ってるんだ?