戦国BASARA
□想うだけだから
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「よぉ忍…降りてこい」
「俺様が居るってよく分かったね。さっすがぁ〜」
俺様はいま奥州の独眼竜、伊達政宗の城に忍び込んでいた。
まぁあっけなく竜の旦那に見つかっちゃったけど。
降りて来いと言われたから降りてみたけど、なぜか竜の旦那は笑っている。
「何笑ってんの?」
「…お前とこうして話すの初めてじゃねーか?って思ってよ。」
「そーだね。言われてみれば、大将からの文届けに来た時とかじゃないと話さないもんねー。」
だから…こうして交わす言葉ひとつひとつが…俺様にとってはとても大切な宝物なんだ。
「どうだ信玄公は、かわりねーか?」
「うん。毎日のように旦那と殴り合ってるよ!」
だけどこんなこと、あんたが知ったらきっと笑い飛ばすんだろうね。
俺様ね、あんたに逢いたくて逢いたくて、こうして用もないのに奥州に来ちゃったりしてんだ。
「幸村も元気なんだな。」
……そう、竜の旦那と真田の旦那は互いに互いを大切に想っている。
そんなこと知ってるよ…だって、旦那のことを話す時のあんたの笑った顔がそう語ってる。