君の手を引いて走れ!

□友情編
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うちのクラスに転校生が来ました。ずっと空きっぱなしだった私の隣の席はその人で埋まりました。


どうしてこんな時期に?と思っていると同じクラスのサッカー馬鹿(円堂くん)が「サッカー部に入ったんだ!」と教えてくれました。つまり、引き抜きでしょうか。


近寄りがたいくとてもインパクトのある外見をしている彼はなんという名前なんでしょうか。とりあえず見た目からゴーグルメガネくんと呼んでおきます。自己紹介をしたはずなんですが、外見のインパクトがありすぎて忘れてしまいました。


今の私の目標は、このゴーグルメガネくんとお友達になることです。



01

朝、教室に入ると既にゴーグルメガネくんは自分の席に着席していました。優等生なんですね。授業の感じからして勉強も出来るようだし、サッカーはとても上手らしい。(サッカー部情報)


私が隣に荷物を下ろすとそれに気付いたみたいで目が合った。あいさつが大事だよねあいさつ。多分あいさつしたら友達に近づくと思うし。


大きく息を吸うと目の前のゴーグルメガネくんは身構えた。それはちょっと酷くないですか。


「ゴーグ…っおおおお、おはよう!」


危ない。ゴーグルメガネと言うところだった。このあだ名で呼んでいいのは心の中だけなのに。かなりどもってしまったが彼にはこの気持ちは伝わったらしい。表情は崩さず口を開いた。


「あぁ、おはよう」


ポーカーフェイスってやつですか。クールな彼と仲良くするのは難しそうです。














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