外を見ればもう日は随分落ちていた。私は教育テレビの番組を見終わったあの人に似た小さな我が子を抱きかかえて絵本を読んでやれば可愛い笑顔が見れた。
夕飯の準備は既に終わっていてあとはあの人の帰りを待つだけだった。久しぶりに我が家に帰ってくると連絡があって急いで準備した豪華な夕飯が冷めないようにお鍋に入れたままにして。
プロリーグの合宿所で生活しているあの人と会うのは久しぶりで(電話はよく来るけど)絵本でテンションが上がっている我が子も楽しみにしている。
「まだかなぁ、まだかなぁ」
「んー、もう少しで帰ってくると、…ほら」
そんなことをしているとドアの開く音が玄関から聞こえて、私達はダッシュしてぱぱをお出迎えする。すばしっこい我が子が先に玄関にたどり着いて私は後から顔を出した。
「一郎太、おかえりなさい!」
「ぱぱ、おかえりなさい!」
そういって出迎えればさぞ嬉しかったのだろう、一郎太は二人まとめてぎゅーっとして学生時代と変わらないような笑顔を作った。
「ただいま!」
ままは幸せ者です