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□風丸さんと結婚しました
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今日は保育園帰りのみおちゃんと少しお散歩して帰ろうかという話になった。土曜日なので午前中だけ預かってもらったので、多分遊び足りないだろうと思ったからだ。


広い河川敷を歩いているとなにやら元気な声が聞こえてきた。向こうにあるサッカーコートでは中学生がサッカーをやっているのだろうか。


「ちょっと見てみようか」

「みる!」


小さな手を引いて河川敷を降りて歩道を歩くと、少し懐かしい気持ちになった。彼等もこうやって河川敷で練習していたな。見えてきた子供たちは青と黄色のユニフォームを着ていた。少し形は違うが、あれは雷門のモノで間違いはないだろう。


コートの端に立って腕を組んでいる監督は見覚えがあった。でも練習中のようだからお邪魔はできないな。そう思っているとみおちゃんもその監督に気付いたようで、手を離して一気に駆け出す。


「ちょ、みおちゃん!」


慌てて追いかけるが判断遅しでオレンジの眩しいバンダナをした監督にタックルをかました。あちゃーと思ってると存在に気付いた監督がみおちゃんを抱きかかえる。


「まもるー!」

「ちょ、みおちゃん練習の邪魔しちゃ駄目だってばー」

「いいって、もう休憩にしようとしてたんだ」


抱き上げられて「きゃー!」と喜ぶ我が子に頭が痛くなる。守もみおちゃんと会うのは久々だったのでなんだかテンションが上がっているのだろうけど。守は子供が好きだもんなあ。


「おーい!お前等!休憩だ!」


そう守が選手に声を掛けるとベンチの周りにスクイズとタオルを貰いに雷門サッカー部が来た。マネージャーとのやり取りに懐かしいなと思っていると視線は抱きかかえられた我が子に集まった。


「あそんでー!」

「よーし!遊んでやるぞ!サッカーやるか?」

「ぐるぐるってやつ!」


同時に私にも視線が集まってたじたじになってしまう。「あれって監督の…?」なんて聞こえるが残念ながら私は監督のコレではない。


「みおちゃんはサッカーやんないのか…」

「守、コラ」

「すいません」


残念そうにしている守にひと睨み効かせると「ちぇっ」と言ってぐるぐるとみおちゃんを回し始めた。みおちゃんが言ってたのはこれか。



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長くなりそうなので切ります

















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