Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第七話 よろしく相棒、目指すはナギサ
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「…暇だなぁ」
病院のベッドの上で、無機質な色合いの天井をぼんやりと眺めて呟いた。
マキシさん達に保護された後、私、スモモちゃん、ジュン君の三人は病院に搬送された。爆風による被害がないか調べる為に検査入院する事になった。幸い、三人共大きな怪我は無かったけれど、私は煙を少し吸い過ぎたらしい。スモモちゃんとジュン君が退院した後も、何日か入院していた。
そして、今日が退院の日だ。けれど、「迎えにくる」と言っていたマキシさんが来ない。恐らく、まだ警察に詳しい話をしているのかもしれない。それ程までに、ギンガ団とは恐ろしいのだ。
(ツワブキ社長…)
サターンと名乗った男の言葉を思い出す。ダイゴに探して欲しくなかった訳じゃないけれど、自分が単身ホウエンに渡った方が良いと思っていた私に、その事を知るすべなんてなかった。一体いつ倒れてしまったんだろう。気がかりで仕方ない。
(それに、スモモちゃんやジュン君にも危ない目に遭わせちゃった…)
ギンガ団は私を追っていた。あの女はギンガ団のパトロンだなんて知らなかった。平気で爆弾を使う組織を使ってまで、私を捕まえたいらしい。ならばこれ以上、二人を巻き込みたくない。強く思った。
その時、私の病室のドアがノックされた。
「どうぞ」
返事すると、マキシさんがスーツ姿で入ってきた。今日はマスクは着けていない。
「これは、スモモから預かったお前のカバンだ」
簡単な挨拶をすませると、マキシさんは私のカバンをベッドの端に置いた。マキシさんは疲れきった様子だ。
「それにしても災難だったなぁ」
そう言うとマキシさんはぼんやりと外の景色を眺めた。辛そうだ。ジムリーダーとして、町が誇る物を守れなかったのだから、当然かもしれない。マキシさんの「災難だった」という言葉は、私に向けてのものなのか、湿原へのものなのか、私には分からなかった。
「マキシさん、」
もう言ってしまおう、何もかも。ギンガ団がいたのも、自分より幼い二人を危険に巻き込んだことも、私にも責任はあるのだから。マキシさんの憔悴しきった様子を、これ以上見ていられない。
「マキシさん、」
私はこれまでの事や自分の身の上を全て話した。正直言うのは辛かった。途切れ途切れにもなったし、少し泣きそうにもなった。それでもマキシさんは黙って聞いていてくれた。
「すみません、マキシさん…。ギンガ団は私を狙ってここまで来たのかもしれないんです」
マキシさんは、それは違うと首を横に振った。
「お前は悪くない。調査した所、ギンガ団の目的は湿原の地下の鉱物だったんだ。あの状況でお前たちはよく戦ってくれたよ。少なくとも、俺様や町の人間、そしてコイツは感謝している」
そう言うとマキシさんはモンスターボールを一個取り出し、宙に放った。