Get your life!(ダイゴ長編夢)

□第八話 ナギサの幽霊騒動
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「わぁ、潮風が気持ちいい!やっぱり海は綺麗だね、ビィ!」


「グモー!」


私たちは砂浜を歩いていた。夕焼けの海は紅に染まっている。夕暮れは感傷的になる。潮風を浴びていると、あの時の事を思い出す。

(ダイゴと一緒に見たトクサネの海の夕焼けも、これ位綺麗だった…)

あれはダイゴがトクサネで一人暮らしを始めた時だ。ダイゴは私にこう言ったっけ。

『一緒になったら、きっとこの風景は日常の一部になるよ』

そんな事を照れもせず言ってのけた恋人に、顔が赤いのは夕焼けのせいだと言い訳した。あんな綺麗な景色が日常の一部だならダイゴとの日々はどれほど美しいのだろう。でも、たとえ海が無くても、私は貴方が傍にいてくれたらそれだけで良い。


「グモー?」


「あっ、ごめんねビィ、ぼーっとしてた」


私は砂浜に座った。膝の上にビィを乗せると、ロケットを開いて中の写真を見せてあげた。


「…ビィ。この人がね、私の好きな人。この人に会うために、私は旅をしてるの」


ビィは私の顔を見つめる。


「でもね、私を追いかけてくる人達が一杯いる。何とかして逃げ切ってシンオウを出ないと、私は一生この人の傍にいられないの」


「グモー…」


だからそれまで協力してね、と言って私はビィを抱きしめた。ビィも応えるように甘えてくれた。


「…じゃあ、そろそろ行こうか」


どれくらいそうしていたのだろう、海を見つめていたら、すっかり日が暮れてしまった。早くナギサに行って、どこか泊まれる場所を探さなくては。


セイラはビィと共に歩き出した。近くで遊んでいた子供たちも慌てて家へと向かっていく。


「はやく帰んなきゃ、お化けが出ちゃうよぉ」


「バーカ!ホントな訳ないだろ」


そういう少年に女の子は声を荒げる。


「ホントだもん!みんな言ってるし、カヨちゃんも見たんだよ、真っ黒い目が光ってるお化け!」

その表情は本当に怯えているものだった。




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