Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第十一話 オーバの忠告
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「…参りました」
「お疲れさん。ゴヨウさんはもっと強えから俺に負けたくらいで凹むなよ」
久々の四天王戦を終わらせて、オーバはリーグの休憩室に入った。久々の挑戦者はなかなか手応えがあったが、それでも自分を打ち負かす事はなかった。
「おやおや、私が来た意味が無くなりましたね」
「悪いっすねゴヨウさん。でもわざと負ける訳にもいかねーし」
そう言うと休憩室にいたゴヨウは当然です、と答えた。その時オーバのポケッチが鳴った。電話の着信はバクからだ。
「おう、どうした」
『よう兄貴、リーグ戦お疲れ。せっかくだから一回帰ってきてくんねえか』
「何でだ?」
『じーちゃんが兄貴の顔見たいってうるせーんだ。顔出してやれよ』
そういえば最近帰ってなかった。じーちゃんに悪いことしたな。分かったと返事をして、ポケッチを切った。ゴヨウさんに会釈してから、オーバはリーグを後にした。
「…ありゃ、すっかりホコリまみれだな」
祖父に顔を出した後、オーバは自分の部屋に行った。久々の実家の自室は片付いているが、ホコリが溜まっていた。しかし弟と祖父だけだから仕方ない。
「なんだこりゃ」
机の上に、封筒がのっていた。差出人はポケモンリーグ事務局とある。
「兄貴、」
ちょうどバクが部屋に来たので、オーバは尋ねた。
「おう。ところでこれ何だ」
バクはそれを見てああ、と言った。
「大分前に来てたぞ。写真」
「写真?」
つーかお前勝手に開けたのか。オーバがそう言うとバクは悪戯っぽく笑った。
「ああ、あれか」
それは去年のリーグ事務局主催のパーティーの写真だった。各地方の四天王とチャンピオンの親睦を深める、とかいう名目で集められたやつだ。
「兄貴よく写ってんじゃん」
バクはニヤニヤしながら正装しているオーバを指差した。
うるせえ、と言おうとして、オーバは突然バクから写真を奪った。まさか、この人は。
「うわっ、何だよ」
「………。」
やっぱり、と思った。間違いない、これは同一人物だ。ツワブキダイゴの隣で微笑んでいる、濃紺の髪に翡翠色の瞳。
「セイラちゃん…だよな…」
写真の中の彼女は、間違いなくセイラだった。