Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第十五話 ゴーストハント(前編)
1ページ/5ページ
夕方。セイラとデンジ、そして何故かあんまり酔ってないオーバの三人は、今晩ジュペッタが来るであろう子供の家にやって来た。
「あと出てないのはこの家だけらしいんだよね…」
「ああ。なんでも病弱な子の家らしい」
その子の体を気遣って、セイラとデンジは連れてきたビィとジュノーを玄関先に置いてきた。その子の家に入ると、お母さんに歓迎され、すぐにその子の部屋に通された。今夜、怖がらせないために、あらかじめ事情を話しておく予定だ。
「…こんにちは、ボク、ユウマっていいます」
ベッドに横たわっていた男の子、ユウマは四、五歳くらいの男の子だった。少し内気そうな顔立ちで、よく見ると体のあちこちに痣があった。
「ねぇ、怪我してるけどどうしたの?」
とセイラが聞くと、ユウマは何かを言い掛けて黙ってしまった。布団をギュッと握りしめてうつむいているユウマをみて、母親が代わりに話し始めた。
「この子はたまに外に出るんですけど…めったに遊べないせいか、ほかの子にいじめられてしまっているみたいで…この前も大切なおもちゃを取られてしまったみたいですし…」
そう言うと母親まで悲しげに俯いてしまった。暗い雰囲気になってしまったが、とりあえずデンジはそうですか、と返してから今夜ジュペッタを捕まえるために少し騒がしくなること、もしかしたら怖い思いをするかもしれないことを告げた。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「なぁに?」
「そのジュペッタってポケモン、どうしてボクの所に最後に来るのかなぁ?」
「…ごめんね、お姉ちゃんにもわかんないの。でも、ユウマ君に怖い思いをさせないように頑張るからね」
「…うん、わかったよ」
本当は怖くて仕方がなさそうなのに、ユウマはニッコリ微笑んで、お兄ちゃん達、お姉ちゃん、頑張ってね、と言った。
(…弟ってこんな感じなのかなぁ?かわいいな…)
そんなユウマに癒されつつ、セイラはデンジ、オーバと一緒に家を後にした。