Get your life!(ダイゴ長編夢)
□第16話 ゴーストハント(後編)〜哀しき玩具〜
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(何なの…?あのジュペッタは…)
ガラスが割れる音で飛び起きたセイラ達は、すぐさまユウマの家に駆け込んだ。しかしオーバのポケモンで攻撃すれば火災になりかねない。
「オーバ!お前は最初に話したようにしてくれ!セイラは俺と来い!」
「うん!」
「分かった!任せとけ!」
そして今に至る。泣き叫ぶユウマ、倒れている母親、そして…ジュペッタ。
「邪魔シナイデヨネ…何ナラ先ニ片ヅケテアゲル…」
(すごい憎しみを感じる…でも、どうして?)
――ジュペッタはどうやらテレパシーで私達にも分かるように言葉を発しているみたいだった。でも、憎しみが強すぎて自分の能力を上手くコントロール出来ないのか、ジュペッタの声は電波状態が悪い所のラジオみたいに、ノイズがかかって掠れていた。
「ジュノー!噛み砕く!」
「オット!」
ジュノーの噛み砕くをかわしたジュペッタは、ケラケラ笑いながら言った。
「アセラナクテモ…、外デ遊ンデアゲルワヨッ!」
その瞬間、ジュペッタは窓から外に飛び出した。
「待て!」
「デンジ、危ない!」
なんと、デンジも後に続いてジュノーと共に二階の窓から飛び降りたのだ。デンジは軽やかに着地すると、再びジュペッタと対峙した。
「…俺はこれでもジムリーダーだ。俺の街の子に手を出そうとして、タダで帰れると思うなよ」
「ガゥウウウ!」
ジュノーもデンジに応えるように吠えた。
(すごいな、デンジ…。やっぱり、すごく怒ってるんだね…)
よく考えたら当たり前。自分の街を愛さないジムリーダーはきっといない。二階の窓から見ていたセイラは、慌てて後を追いかけようと階段の方へ向かった。
「…待って下さい、セイラさん!」
「!?」
セイラは、ユウマの母親に呼び止められた。ユウマは気を失っている。
「あのジュペッタ…、ひょっとしたら、この子のぬいぐるみを見つけたのかも…」
「…えっ!?」
ユウマの母親は、途切れ途切れになりながらも、思い当たる節についてセイラに話し始めた。