Get your life!(ダイゴ長編夢)

□番外編 霧中狂想曲
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「霧が深いですね…、晴れる気配もありません」


コクランは誰に言うまでもなく呟いた。セイラのジュペッタを追いかけようとして、突然立ちこめた濃霧。それは、半時間たった今もそのままだった。


その時、カタカタとボールが揺れたかと思うと、エンペルトとエルレイドが飛び出してきた。


「…おや?どうかしましたか、エンペルト、エルレイド」


「「………」」


二匹は沈黙したまま、コクランを見つめていた。


「……。何故だ、と聞いているのですね?」


「クヮウ」

「エル…」


二匹のポケモン達は、少し後ろめたそうにしながらもコクランを責めるような目で見た。

あそこまでセイラを乱雑に扱うことは無かったのではないか。それは、今まで守ってきた執事としての精神に反するものではないのか。

エンペルトは、自分の技でセイラを傷つけた事は自分の誇りすら傷つけたと思っていたし、エルレイドは、自分に捕らえられた時のセイラの顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。

何故、あそこまで執拗に攻撃しなければならなかったのか。自分たちは人を一方的に傷つける為に強くなろうとしたわけではない。自分の主人がそうした理由が分からなかった。


「…あなた達は私との付き合いも長い。せっかくですから、話すのもいいでしょう」




少しだけ、昔の話をしましょうか。




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